先行していた三菱UFJに続き、2016年から2017年にかけて三井住友銀行とみずほ銀行が次々とデビットカードの発行を開始しました。ついに三井住友・三菱UFJ・みずほの三大メガバンクでデビットカードが出そろいましたね。
いよいよ日本でもデビットカードの利用が浸透してきたということでしょうか?時代はどんどんキャッシュレス化の方へ進んでいくのでしょうね。
・クレジットカードのように使い過ぎて支払いができなくなるということがない
・ATMで現金を下ろす手間が省ける
というメリットもありますので、今後は「クレジットカードを作れないから」という消極的な選択肢としてだけではなく、「デビットカードを進んでメインの支払い手段として使う」というふうに積極的にデビットカードを選ぶ人が増えるのではないでしょうか。
デビットカードとクレジットカードの違いはこちらの記事で読めます>>クレジットカードを作れない!そんな人は「デビットカード」を1枚作ろう
そこで、ここでは「デビットカードデビュー」を考えている人向けに、3大メガバンク(三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行)のデビットカードを比較して、どれが一番お得に使えるのか検証してみます。
基本情報の比較
まずは、3大メガバンクそれぞれのデビットカードを基本情報の部分で比較してみます。
ブランド | 年会費 | キャッシュバック | |
三井住友SMBCデビット | VISA | 無料 | 0.25% or 0.5% *注1 |
三菱UFJ -デビット
| VISA | 初年度無料 2年目以降1,080円 (ただし、1年間で10万円以上利用すれば翌年は無料) | 0.2% |
JCB | 初年度無料 2年目以降1,080円 (ただし、1年間で10万円以上利用すれば翌年は無料) | 0.3~0.45% *注2 | |
みずほJCBデビット | JCB | 初年度無料 2年目以降1,080円 (ただし、年1回以上の利用で無料) | 0.2% |
*注1:SMBCデビットは、0.25%のキャッシュバックまたは0.5%のポイント付与から選べます。一概に0.5%のポイント付与の方がお得とも言えないので、詳しくはこちらの記事を参照してみてください↓
>>【SMBCデビット】キャッシュバックかSMBCポイントか、どっちで受け取るのがお得?
*注2:三菱UFJ – JCBデビットの場合、単純に利用した分の○%をキャッシュバックするという方式ではありません。まず利用額の0.1%が「Oki Dokiポイント」として付与されて、その「Oki Dokiポイント」を円に変換して使うという方法になります。条件によって、1ポイント3円または4.5円で交換されるので、結果的には0.3~0.45%の還元率になります。
ブランドはVISAかJCBか
三井住友はVISAブランドのみ、三菱UFJはVISAとJCBブランドの両方、みずほはJCBブランドです。
VISAもJCBも正式な「利用可能店舗数」は発表していないので、どちらがより「使える」カードなのかとは一概には言えないのですが、国内での利用であれば若干VISAの方が有利かなというくらいかと思われます。
ほとんどのお店ではVISAでもJCBでも問題なく使えますが、たまにVISAは使えるけどJCBのカードは使えませんというお店に遭遇することがあります。
そしてもし海外旅行や出張などでデビットカードを使おうと考えているなら、絶対にVISAを選択した方がいいでしょう。JCBのカードは使えないという国やお店が多いからです。
また、それぞれのデビットカードの為替に対する手数料(加算レート)と、海外ATMで引き出す場合の手数料は次のとおり。
為替手数料(加算レート) | 海外ATMで引き出す場合の手数料 | |
三井住友SMBCデビット | 3% | 108円 *一部ATMで海外銀行所定の手数料がかかる場合あり |
三菱UFJ -VISAデビット | 3% | 108円 *一部ATMで海外銀行所定の手数料がかかる場合あり |
三菱UFJ -JCBデビット | 4.6% | 108円 |
みずほJCBデビット | 5% | 海外ATMで現金引き出しに対応していない |
*海外ATMで引き出す場合には、上記の手数料以外に為替手数料もそれぞれかかります。
これを見ても、JCBのデビットよりも、VISAのデビットカードの方が手数料が安く済むことが分かりますね。
国内だけで使うなら基本的にはVISAでもJCBでもどちらでもいいが、若干VISA有利
海外で使うなら絶対VISA
年会費はもちろん無料がいい!
クレジットカードと同様、デビットカードにも「年会費がかかるカード」と「無料のカード」があります。
メガバンクのデビットカードを比べてみると、完全に無料で使えるのは三井住友のSMBCデビットカードのみ。三菱東京UFJとみずほの場合は、条件付きで無料になります。
みずほの「1回でも使えば無料」というのはかなりハードルが低いので、実質的には無料みたいなものと考えていいかと思いますが、三菱UFJの「前年の利用が10万円以上なら無料」という条件は、個人的にはややハードル高いかなと感じます。
「トータルで10万円使ったかな?」と気にしながら使うのも少し面倒に感じます。また、ふだんの買い物でガンガン使っている間はいいと思いますが、メインバンクを変えるなどしてあまり利用しなくなった場合に、ちゃんとデビットカードの解約手続きをしないと延々と1,080円の年会費を毎年払い続けていたなんてことになりかねません。
「そもそも最初から年会費が無料」の三井住友デビットカードなら、仮に使わなくなって放置しておいても年会費を取られることはないので安心
デビットカードのポイントキャッシュバックは低め
クレジットカードと同様に、デビットカードも利用するとキャッシュバックを受けることができます。
ただし、クレジットカードが平均で1%くらいの還元率なのに対し、デビットカードは0.2~0.5%とかなり低めです。
*そんな中で、デビットカードなのに1%の高還元率のカードもあります→楽天JCB デビットカード
メガバンクのデビットカードの中では、還元率だけで言うと三菱UFJのJCBデビットが0.3~0.45%と一番高いのですが、これは純粋なキャッシュバックではなく「Oki Dokiポイント」として付与されたポイント(1,000円につき1ポイント)を円に換金する(1ポイント3円または4.5円)というひと手間が必要となります。
純粋なキャッシュバックとしては三井住友デビットカードが0.25%。銀行口座に自動的にキャッシュバックされるので、手間はかからずそこそこのお金が戻ってくるという魅力はあります。
手間がかかってもいいなら、三菱UFJのJBCデビットがお得
ポイントを換金する手間が面倒なら、三井住友VISAデビットがおすすめ
紛失・盗難にあって不正利用されたときの補償はあるの?
デビットカードを使うにあたって一番大事なポイントが、この「補償」です。
補償金額 | 補償対象範囲(対象期間) | |
三井住友SMBCデビット | 年間100万円を上限 | 銀行が連絡を受けた日から60日前まで遡り、その日以降に発生した損害 |
三菱UFJ – VISAデビット | 年間100万円を上限 | 銀行が連絡を受けた日から60日前まで遡り、その日以降に発生した損害 |
三菱UFJ – JCBデビット | 1事故につき500万円を上限 | 90日前までさかのぼって補償 |
みずほJCBデビット | 1事故につき500万円を上限 *ただし、webに金額の記載はしていません | 60日前までさかのぼって補償 |
このように、どのカードの場合でも不正利用に関しては補償をしてもらえますが、当然「本当に不正利用があったのか」という調査が念入りに行われて、その上で認められた分が補償されるということになります。
なので、紛失・盗難に遭ったことに気づいたらすぐに利用停止の連絡をして、警察に紛失・盗難届を出すようにしましょう。
その他付帯保険
クレジットカードと同様に、デビットカードにも付帯保険がついているものがあります。
ショッピング保険 | 旅行傷害保険 | |
三井住友SMBCデビット | あり(海外) *デビットカードを海外で利用して購入された商品の破損・盗難などによる損害を、年間100万円を限度に購入日および購入日の翌日から90日補償(自己負担額3,000円/1事故あたり) | なし |
三菱UFJ – VISAデビット | あり(国内・海外) *デビットカードを利用して購入された品物の破損・盗難などの損害について、年間100万円を限度に購入日より60日間補償(自己負担額5,000円/1事故あたり) | なし |
三菱UFJ – JCBデビット | あり(海外) *デビットカードを利用して購入された品物に万一破損や盗難などの損害が発生した場合、購入日から90日間、年間最高100万円まで補償(自己負担額1万円/1事故あたり) | 最大3,000万円(国内・海外) |
みずほJCBデビット | あり(海外) *デビットカードを利用して購入された品物に万一破損や盗難などの損害が発生した場合、購入日から90日間、年間最高100万円まで補償(自己負担額1万円/1事故あたり) | 最大3,000万円(国内・海外) |
3行とも「ショッピング保険」は付帯していて、補償の限度額は横並び100万円です。
ただし、補償の対象となる期間や自己負担額にはばらつきがありますね。ショッピング保険だけで考えたら、補償期間も長く(90日間)、自己負担額が少ない(3,000円)三井住友SMBCデビットがベストです。
ただ、JCBのデビットにはVISAのデビットカードにはない「旅行傷害保険」が付帯しているのです。そもそもデビットカードで旅行傷害保険がついているものは少ないので、これは大きなメリットですね。
事前に「みずほJCBデビット」で旅行費用などをお支払いいただいた場合、旅行中に起きた事故や病気、ケガなどを最高3,000万円まで補償いたします。
みずほJCBデビットHPより引用
JCBは海外で使えるお店が少ないので海外旅行での利用はあまりオススメしませんが、この付帯の旅行傷害保険を目当てに1枚作ってもいいかもしれません。わざわざ海外旅行前に保険に加入する手間も掛け金も省けますからね。
自分の使い方に合ったデビットカードを!
年会費・キャッシュバック・海外利用の点で総合的に考えると、この4枚のデビットカードの中では「三井住友SMBCデビット」が一番オススメです。
SMBCデビットは、2017年から「iD」という、専用端末にタッチするだけで支払いができる機能がついたカードになっていますので、ますます利便性が上がっていると言えますね。
▼SMBCデビットについて詳しくはこちらの記事でご紹介しています。
>>三井住友のSMBCデビット|タッチ機能付きのデビットカードがものすごく便利!
もちろん自分のメインバンクはどこなのか、またどんな使い方をしようと考えているのかによって、それぞれのカードで多少なりとも良し悪しはあるでしょう。
クレジットカードと同様に、今ではデビットカードも選び放題です。自分の使い方に一番合ったカードを選んでください!
▼その他のデビットカードについてもっと知りたい方はこちらの記事も読んでみてください。
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