手持ちの現金がなくても、銀行口座にお金が入っていればキャッシュレスで支払いができるデビットカード。
以前は「訳あってクレカを作れない人」のための代用カードというかんじでしたが、最近ではクレカとデビットカードを使い分ける人も増えてきているようです。
ただ、デビットカードにももちろんデメリットがあります。
そこでここでは、クレジットカードと比べて「不便」に感じるデメリットの部分と、デビットカードを作る&使うことのリスク(損をする可能性)についてまとめています。
1枚くらいデビットカードを作っておこうかな、と考えている人は参考にしてみてください。特にリスクの部分は必読です!
デビットカードのデメリット
まずは、デビットカードのデメリットから見ていきます。
デビットカードを実際に使ってみると、クレジットカードと比べてちょっと使いづらいと感じる場面があるかもしれません。
具体的には、
という点。それぞれ細かく説明していきましょう。
分割払いができない
デビットカードの支払い方法は「1回払い」のみです。
クレジットカードのように、2回払い、3回払い、リボ払いなどの分割払いができないだけでなく、ボーナス1回払いというのもできません。
というのも、デビットカードはレジで決済をかけたと同時に、そのデビットカードを作った銀行の自分の口座から決済額が即引き落としになるからです。
クレジットカードのように、「後で口座から引き落とされる」という仕組みにはなっておらず、その場で全額が決済されることになります。
なので、お財布に現金がなくてもデビットカードがあれば支払いはできますが、デビットカードの引き落とし先の銀行口座に残高がなければ支払いはできないんです。
使う際には、自分の口座に残高がどれくらいあるのかを把握して使うようにしましょう。
ポイントが貯まりにくい
デビットカードのポイント還元率は、クレジットカードと比べて低いものが多いです。
ほとんどのデビットカードは、ポイント還元率は0.2~0.5%程度。メガバンクのデビットカードでもこのレベルです。
クレジットカードのポイント還元率は、1%くらいのところが多いので、ポイントの貯めやすさで考えるとデビットカードはどうしても見劣りすると言わざるを得ません。
ただ、中にはクレジットカード並の高還元率を売りにしているデビットカードもあります。
代表的なものとしては、
無条件でクレジットカード並の還元率になるのは、楽天JCBデビットカードのみです。
*利用金額や預金残高などで一定の条件を満たした場合や、特定のお店で利用した場合に限って2~4%の高還元率になるカードはありますが、条件なしでどこのお店でも適用される還元率としては楽天JCBデビットカードが最高。
ポイントをガッツリ貯めたいなら、条件つきでも高い還元率になるデビットカードを選ぶか、素直にクレジットカードを使った方がいいですね。
ガソリンスタンドでの支払いに使えないものが多い
ガソリンスタンドでの支払いにデビットカードを使おうと思っている人は注意が必要。使えないデビットカードが多いんです。
というのも、上にも書いたようにデビットカードは基本的に「決済→即引き落とし」が原則。ですが、ガソリンスタンドの場合、決済のタイムラグがあるところがほとんどなんです。
そのため、即時決済が原則のデビットカードは使えない場合があるということ。
ガソリンスタンドでも使えるデビットカードは、現状確認できる限りでは次の4つのみです。
口座残高が一定以上必要なところもありますので、注意してください。
ETCカードの発行ができない
クレジットカードなら同時にETCカードの申込みもできるのですが、デビットカードは基本的にETCカードの発行はありません。
唯一ETCカードがあるのが、北國銀行のデビットカード。ただし、北陸3県に居住している(または職場がある)人でないと、口座を開設すること自体難しいですね。
北國銀行のデビットカードについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。
>>ETCカードが作れるデビットカードがあった!北國銀行のVisaデビットカード
北國銀行で口座を開設できなければ、ETCをあきらめるか、デビットカードではなくクレジットカードを作るしかないということになります。
デビットカードのリスクや危険性
お金が絡むものである以上、デビットカードにもリスクや危険性が潜んでいます。
キャッシュレス決済が進むにつれて、いろんなところで情報漏えいが起こっているのも事実。そんな中で、一番大きなリスクになるのが「カードの不正利用」です。
不正利用されても全額補償されない場合がある
カードを紛失したりカード情報が流出したりすると、そのカードが不正利用される可能性が出てきます。
これはデビットカードでもクレジットカードでも同じリスクですね。
ただ、クレジットカードが基本全額補償なのに対して、デビットカードの場合は補償される金額に上限があるんです。
たとえば、三井住友SMBCデビットなら補償の上限は100万円、三菱UFJのJCBデビットなら500万円。この範囲内でしか補償されません。
仮に、三井住友SMBCデビットで200万円の不正利用があった場合、100万円分は補償されても残りの100万円は泣き寝入りして諦めないといけないということ。
ただ、デビットカードでも事前の対策次第で「損をする」リスクを減らすことができますので、その対策法について見ていきましょう。
不正利用のリスクを減らすための対策
まずは不正利用されないということが一番大事なのですが、こればっかりは自分が気をつけていても企業側からの情報漏えいなどは自力では防ぎようがありません。
なので、万が一不正利用をされても確実に補償を受けられる体制を整えておくことが大事です。
対策1:カードの裏面にはきちんと署名をしておく
カード裏面に署名がないものは、不正利用された場合でも補償の対象外となるところがほとんどです(これはクレジットカードでも同様)。
カードが手元に届いたらまずはちゃんと自筆で署名をするようにしてください。
対策2:暗証番号は誕生日、生まれた西暦、電話番号など簡単に推測できるものは絶対に避ける
盗難されたデビットカードが「暗証番号入力」で決済された場合は、補償の対象になりません。
なので、万が一デビットカードが盗難にあっても、暗証番号で決済できないように、推測しにくい数字を設定しておくべきです。
誕生日や電話番号の下4桁、「1111」のような連番などといった簡単に推測しやすい数字は絶対に使わないようにしましょう。
対策3:1日に利用できる金額を低めに設定しておく
まず、デビットカードが届いたら、利用限度額を変更しておくようにしましょう。
初期設定で1日の利用限度額(50万円~100万円のところが多い)、1か月の利用限度額(50万円~1,000万円くらい)などが決められていますが、これを自分で低めの金額に設定し直すようにしてください。
限度額の変更は、会員用サイトや電話で行うことができます。
利用限度額を低めに設定しておけば、仮に不正利用されても「損」をしなくて済むからです。
不正利用者が高額の買い物をできない
補償の上限にひっかからず、全額補償を受けられる
自分の買い物に不便にならない程度に、限度額を調整しておくことが大事ですね。
対策4:メインの口座ではデビットカードを作らない
たとえば、お給料の振込口座だったり、コツコツと貯金をしている口座など、まとまったお金が入る口座でデビットカードを作らないというのも予防策としては有効です。
デビットカードは、どんなに使いたくても口座にある残高分しか使えません。
逆に言えば、残高が多い口座だと(上に挙げた利用限度額を低く設定していない限り)、不正利用で高額な買いものをされたときに引き落としがされてしまう可能性があるということになります。
自分の財産を守るためにも、給与支払い口座や貯蓄用に使っている口座など、残高が多い口座ではデビットカードを作らないようにした方がいいでしょう。
デビットカード決済用の口座をひとつ作って、お給料日に決まった金額をその口座に入金して使うようにするのがベストですね。
デビットカードのデメリットやリスクは、しっかり把握&管理すれば怖くない!
デビットカードはクレジットカードと比べると見劣り&不便を感じる部分は確かにあります。
ただ、その一方で、クレジットカードにはないメリットがあるのも事実。
ほとんどのデビットカードは審査がないので、クレジットカードを持てない人(ブラック、無職、高校生など)でも作れる
口座に預けている分しか使えないので、使いすぎて後で払えなくなるという心配がない
また、リスクを事前にしっかり把握しておくことで最悪の事態は回避できます。上にあげたように、利用限度額を低めに設定しなおしたり、メインの口座ではデビットカードを作らないようにすることで、仮に不正利用の被害にあっても損をしなくて済むわけです。つまり、対策次第。
クレジットカードでもデビットカードでも、最終的には自分でちゃんと管理できるかどうかが重要ということですね。
▼どこの銀行でデビットカードを作ればいいかお悩みなら、こちらの記事を参考にしてみてください。
>>デビットカードはどれがいい?クレジットカードが作れなくても持っておくべき厳選定番カード
▼メガバンクのデビットカードを比較するなら、こちらもどうぞ。
>>三大メガバンク(三井住友・三菱UFJ・みずほ)のデビットカードを徹底比較!どこのデビットカードがよりお得!?
コメント