借金の滞納を続けて督促を無視していると、ある日裁判所から呼び出しがかかることがあります。
債権者(消費者金融などお金を借りている相手)から訴訟を起こされるのです。
[st-kaiwa2]まさか本当に裁判を起こされるなんて思わなかった[/st-kaiwa2] [st-kaiwa1]裁判なんて怖い!無視してもだいじょうぶかな…?[/st-kaiwa1]実際に裁判所から呼び出しの郵便物が届くと、そんなふうに絶望感と恐怖心でどうしたらいいか分からなくなりますよね。
でも、実はこの大ピンチこそ借金を解決する大きなチャンスです。
これまでさんざん督促を無視してきた人も、ほんの少し勇気を出して対処してみてください。
滞納しすぎてどうしたらいいか分からなくなってしまった状況が、拍子抜けするくらい簡単に解決の方向へ動き出しますよ。
ここでは、実際に私が体験した裁判の一部始終をお伝えします。
「これなら自分も勇気出して対応してみよう!」と必ず思うはずですので、よーく読んでみてくださいね。
東京簡易裁判所から特別送達で訴状が届く
当時の私は、消費者金融4社から借り入れがあって、すべて長期滞納をしていました。
もちろん、督促のハガキも電話も無視です。
そんな滞納状態にも慣れてしまったある日、自宅にいると「特別送達」という郵便物が届きました。ポスト投函ではなく、書留のようにサインをして対面で受け取ります。
郵便局員の方に渡された封筒には「東京簡易裁判所」の文字が。そこで初めて「あれ、これヤバいやつかも…」と思いました。
実は、これまで借金を滞納している間は「督促状」のような郵便物は封も開けずに放置していたのですが、この裁判所からの特別送達はそんなわけにはいきません。すぐに開封せずにはいられませんでした。
開封すると、そこに入っていたのは「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」。
さすがに「ついに裁判を起こされてしまった…」と愕然としました。
この期に及んでも、最初は「どうにか逃げ切る方法はないかな」「このまま放っておいたら、なかったことにしてもらえないかな」なんて考えていました。
それくらい、裁判は怖くて怖くて、どうしたらいいか分からなかったというのが本音です。
どうやって腹をくくったのか?
そんな私ですが、最終的には腹をくくって裁判所に出廷することにしました。
出廷する覚悟を決めることができたのは、この裁判所からの訴状に書いてあった
「一括で支払え」
という言葉を見たときでした。
ずっと返済せずに延滞しているくらいですから一括でなんて払えるわけがないのですが、裁判所が入っている以上、放っておいたら差し押さえなどをされるのが間違いないと思ったからです。
そして、その訴状には「答弁書」というものも同封されていました。
もし分割払いなどで和解したいなら、この答弁書に自分の希望を書いて提出→裁判の期日に出廷して和解手続きをしないといけません。
つまり、
このどちらかを選ばなければならないわけです。
「無視して、気が向いたときに少しずつ払う」なんていう選択肢はありません。無視すれば敗訴が決まってしまうからです。
自分にとってどっちが得かということを考えたら、もちろん「答弁書を提出して和解手続きをすること」一択でした。
そして、「もしかしたら、消費者金融の人と直接やりとりするよりも、裁判所の人に間に入ってもらった方が分割交渉もしやすいかも」と思ったということもあります。
こうして私は「裁判に出よう」と腹をくくることができたんです。
裁判に出席する前にすべきこと
そう決めたら、まずはさっそく答弁書を提出しなければなりません。
答弁書はこんなかんじ。
裁判所ホームページからもダウンロードできます。
1枚目には、訴状に書いてある番号や原告(裁判を起こしてきた会社)、そして自分(被告)の住所氏名を書きます。
そして2枚目ですが、まずは訴状に書かれている内容に間違いがあるか・ないか(金額が合っているかとか、自分が知らないことが書いていないかどうかとか)を選びます。
もし、身に覚えのないような請求内容だった場合は、「次の部分が間違っています」「次の部分は知りません」にチェックして、間違いや知らない部分を書き出します。
内容自体は正しければ、「すべて間違いありません」にチェックします。
そして、大事なのが、「話し合いによる解決(和解)を希望します」にチェックを入れること。
「分割払を希望します」にチェックを入れて、自分が希望する支払い金額と支払い開始日を記入します。
金額については実際の和解のときにつっこんで聞かれるので、無理なく支払えて、しかも低すぎない金額を入れておくようにします。
一応、理由もちゃんと書いておいた方がいいですね。自分の今のお給料がこのくらいで、毎月の支出がこれくらいなので、これがギリギリ支払える金額です、といったことを書いておけばOKです。
裁判所では司法委員が間に入ってくれて和解成立
口頭弁論の当日にいざ裁判所へ行ってみると、私と同じような債務者が30人ほどいました。それほど大きくない部屋に椅子が並べられていて、そこで裁判が行われます。
裁判とは言ってもイメージしていたようなものではなく、順番に名前を呼ばれて、分割での和解をしたいと答えると別の部屋に通されて債権者(武○士)と話し合いをするというもの。
債権者との話し合いは1対1ではなく、司法委員の人があいだに入って話をまとめてくれました。
事前に送っていた答弁書を見ながら、月々1万円返済を希望しているけど、本当に払える?といったように親身に状況を聞いてくれて、最終的に希望通り月々1万円の60回払い&しかも利息と遅延損害金はカットという、かなり私に有利な条件で和解をすることができました。
「ここまであなたの希望を聞いて条件を飲んでくれたんだから、今度は絶対に滞納しちゃいけませんよ」と釘を刺されましたが、このときやっと「借金の返済は人に頼って相談してもいいんだ」という気持ちになれたのを覚えています。
裁判を起こされたなら迷わずに「和解」を申し出るべき
裁判所から訴状が送られてきたときには本当に「終わった…」と思いましたが、結果的にこうして和解できたのは自分にとってはよかったなというのが本音です。
ずっと滞納を続けていると、今さらどうしていいのか分からなくなってしまいます。
まずは、返済を再開するきっかけになったこと。
そして、返済期間をかなり長くしてもらえたり、利息や延滞金をカットしてもらえたこと。
また、借金を解決するのに「人に頼ってもいい」という気持ちになれたこと。
この3つは、これ以降の借金返済にとても大きなプラスの変化を与えてくれました。
裁判を起こされると「怖い」「逃げたい」と思うかもしれませんが、実際には、そこで初めて仕切り直しができたんですよね。
これまでさんざん督促を無視してきた人も、裁判を「自分に有利な条件で和解できるきっかけになる」といい方向で考えるようにしましょう。
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