過払い金請求をしたいけど、「具体的にどうしたらいいのか分からない」「本当にお金が戻ってくるか分からない」という理由で躊躇している人もいるのではないでしょうか。
もしあなたが2010年以前に29.2%の金利で借金・返済していたのであれば、お金が戻ってくる可能性は非常に高いです。だったら、過払い金請求をしない手はないですよね。
実際に過払い金請求をするためには2つの方法があります。
・自分でやる
・弁護士や司法書士に頼む
過払い金が発生しているからと言って、消費者金融やキャッシングの会社の方からあなたに連絡をしてきて「返金するから口座を教えてください」なんて言われることはありません。
そもそも、過払い金が発生しているかどうかすら自動的に教えてくれることはありません。請求を自分でやるにせよ、弁護士や司法書士に頼むにせよ、こちらからアクションを起こさないと過払い金は戻ってこないのです。
過払い金の請求のしかた
自分でやる場合でも、弁護士や司法書士に頼む場合でも、過払い金の請求は次のようなプロセスを踏んで行います。
1.業者から取引履歴を取り寄せる2.その取引履歴をもとに、今の金利で計算をしなおす(金利の引き直し)
3.差額分を、業者に過払い金として請求する(内容証明&配達証明で)
4.業者と交渉 → ここで和解できなければ裁判
5.裁判所に過払い金返還請求訴訟をする
6.裁判所から判決が出る → 業者が控訴しなければ裁判終了。支払いがされるはず
上でも書いた通り、過払い金は自分からアクションを起こさない限り、自動的に返ってくるということはありません。さらに、過払い金の返還請求には「時効」があって、最終の取引から10年で請求権が消滅してしまいます。だまって何のアクションも起こさないでいると、せっかく返ってくるはずのお金はなかったことになってしまうのです。
なので、お金を返してもらいたいなら、道は2つにひとつ。業者相手に自分で過払い金請求の手続き&交渉をするか、もしくは司法書士や弁護士にお願いするかです。
過払い金の請求は自分でやった方がいいの?
過払い金の請求は、自力でできないことはないでしょう。ただ、その場合のメリットとデメリットも把握しておいた方がいいと思います。
過払い金請求を自分でやるメリット
過払い金請求とは、お金を返してもらう請求です。名誉のためにやるものではなく、お金を手にするためにやるわけです。
そして、過払い金請求を自分自身で行った場合、返還された金額を全部自分で受け取ることができます。お金を手にするために行う請求なわけですから、1円でも多く手元に戻ってきた方がいいに決まっています。
そう考えると、弁護士や司法書士に頼んでその分の費用を支払うことを考えると、返還額がそのまま自分の手元に残るという金額的なメリットがあります。
仮に弁護士や司法書士に頼んだ場合、基本的には以下の費用がかかります。
・着手金(相場は1社1万円~4万円程度)
・成功報酬(相場は1社2万円程度)
・過払い金返還報酬(相場は返還額の20%程度、訴訟を起こした場合は25%程度)
・実費(内容証明の郵便・印紙代や通信費)
たいていはこのように、返還額の20%(裁判まで行ったときは25%)+3万~8万円程度(1社につき・実費含む)はかかると見ておいた方がいいでしょう。
ちなみに、私は15万ほどの返還額で、弁護士に8万円支払いました。自分ですべての手続きをやった場合には、これらの費用がかかりません(実費はかかりますが)。
自分で過払い金返還請求をすることで、より多くのお金を手元に残せるというメリットがあると言えます。
過払い金請求を自分でやるデメリット
逆にデメリットはどんなことがあるのでしょうか。
過払い金請求の相手は消費者金融会社やキャッシングの会社です。そうした会社に対して過払い金の請求をしている人はあなた一人ではなく、当然日本全国のたくさんの人たちから「お金返して」と言われているわけです。できるだけ返還額を少なくしたいというのが本音でしょう。
なので、請求書を送ったらすんなり「はい、分かりました」と振り込んでくれることは難しいと思われます。相手は、満額は払いたくないのです。
そこで、和解交渉に入ります。ちなみに、私の場合はこの交渉の段階で消費者金融の会社が出してきた和解案は、なんと「3,000円」でした(満額で15万のところ)。私は弁護士に頼んでいたので、3,000円では金額的にお話しにならないということで訴訟に持ち込んでもらったわけですが、「3,000円しか払わない」と言ってくる業者に対して自力で交渉できる力はありません。
また、裁判に持ち込む場合には、
・訴状(この業者と取引をして、過払いが発生していて、請求をしたが返還してもらえていないという旨を説明)
・取引履歴(業者から取り寄せたもの)
・引き直し計算書
・業者に送った内容証明などの証拠書類
・業者の登記簿謄本
これらの書類を準備して、管轄裁判所に訴えを起こす必要があります。また、実際の裁判にも出席しなければなりません。自分でできないということはないと思いますが、かなりの時間と手間がかかるというのはデメリットと言えるでしょう。「時は金なり」という言葉もありますからね。
また、自分で業者と交渉する場合、自宅に電話がかかってきたり郵便物が届くことで、家族に過払い請求をしたことがバレてしまうケースがあります。弁護士や司法書士に依頼すれば、直接業者と連絡を取ることはなくなるので、家族にバレる心配はなくなります。
弁護士や司法書士に頼むデメリットはないの?
では、自分でやらずに弁護士や司法書士に依頼する場合はどうでしょうか。もちろん、この場合もメリットとデメリットがあります。
弁護士や司法書士に頼むメリット
弁護士や司法書士に過払い金返還請求をやってもらう最大のメリットは、手間も時間もかからずにお金が戻ってくるということです。できるだけ過払い金を払いたくないと思っている百戦錬磨の業者相手に、面倒な交渉をしなくていい。裁判まで行ったとしても、書類を作ったり裁判に出廷する必要もない。
最初にお願いしてしまえば、あとは弁護士や司法書士が交渉をしてくれて、進捗状況を報告してくれます。そして、最終的に納得のいく形(多少の減額あり、もしくは満額)で業者と折り合いをつけてくれます。その間、何もする必要はありません。
また、消費者金融やキャッシングの業者とひとくくりで言っても、いろいろな業者があるわけです。「この会社は満額に近い形で和解を出してくる」「この会社はなかなか応じない」などといった情報は、実際に過払い金請求をたくさんの件数こなした経験のある弁護士や司法書士でないと分かりません。確実に、より多くのお金を返してもらうには、こうした経験がものを言うのは間違いないでしょう。自力で相手のことを何も分からないままに交渉するよりは、はるかに結果は出やすいと言えます。
弁護士や司法書士に頼むデメリット
最後に、弁護士や司法書士に頼むデメリットですが、「費用がかかる」。これに尽きますね。
上にも書きましたが、実費以外に着手金、成功報酬、過払い金返還報酬などを支払う必要があります。返還額の20%(裁判まで行ったときは25%)+3万~8万円程度(1社につき・実費含む)かかると見ておくべきでしょう。
1円でも多く手元に残したいという人にとっては、この点はデメリットと言えます。また、返金額がいくらになるかという見通しも含めて、最初にしっかり弁護士・司法書士から料金の説明を受けて、おおよそでもいいから「これくらい手元に残る」という目安を教えてもらうようにしないと、終わってみて「費用を払ったら、これしか残らなかった…」と感じたりする可能性もあります。
確実に過払い金を取り戻すなら、まずは弁護士や司法書士に相談するのが近道!
過払い金請求を自分でやるにしても、弁護士や司法書士に頼むにしても、それぞれメリットとデメリットはあります。
私も過払い金請求をしましたが、弁護士の先生にお願いしました。結果論かもしれませんが、裁判までいって満額返ってきたので、自分でやらなくてよかったと思っています。
弁護士に合計8万円の費用を払いましたが、それでも7万円は手元に残りました。自力で和解をしようと思っても、「3,000円しか払わない」という業者からこれ以上の金額を引き出すことは無理だったと思っています。
逆に、満額とはいかないまでも、仮に和解交渉の段階で70%の提示をしてくるような業者であれば、自分でやった方が3万円くらい多く手元に残る計算になります(私のケースで、満額が15万円の場合)。
裁判まで行かないとしても、取引履歴を取り寄せたり、金利の引き直し計算をしたり、内容証明を作って相手に請求書を送ったり、その後電話で交渉をしたりする手間を厭わないのであれば、このラインで和解できそうな場合には自分でやるというのもアリだと思います。
見極めは難しいですが、和解が70%以下になりそうな業者には、弁護士や司法書士にお願いして請求してもらう方が確実ではないでしょうか。
いきなり弁護士や司法書士に頼むのは気が重いという方は、まずは無料で相談できるところで自分の現状を確認してみるのがいいでしょう。
債務整理専門の法律事務所であれば、過払い金返還請求の実績もたくさんありますので、「20xx年~20xx年までの間に○○ローンから△△円借りて返済したけど、過払い金は返ってくる可能性ありますか?」などと相談してみれば、いろいろと対策を教えてくれるはずです。
そのうえで、「弁護士にお願いした方が、確実にお金を取り戻せそうだな」と判断したなら、正式に契約すればよいのです。
じっとしていてもお金は一銭も返ってきません。だったら、まずは一歩動き出してみましょう!
▼実際に私が過払い金請求をした体験談はこちらの記事にまとめています。
>>過払い金請求はしたほうがいい?するだけ無駄?実際にやってみてわかったメリットと注意点
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