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税金滞納で銀行口座を差し押さえられるのは本当!差し押さえ後の現実的な対処法

税金

一定以上の収入があると必ず払わなければならないのが「税金」です。

特にアルバイトやパートの場合には、所得税は給料から天引きされているけれど住民税や国民健康保険料は自分で支払う場合が多いです。

私は以前300万円を超える借金を抱えており、数年前に完済するまでガムシャラに働いていたことがあります。収入が増えると税金も増えますが、その収入のほとんどを借金返済に回してしまっていたために、今度は住民税と国保を滞納するようになってしまいました。

税金や保険料の滞納をしていると怖いのが「差し押さえ」です。

「差し押さえなんて脅してるだけで、本当に差し押さえるわけはないよね…!?」と思っている方がいたら要注意。

私も同じように思っていたのですが、実際には滞納を続けた結果、銀行に入っていた残高分が差し押さえられました。

ここでは、

差し押さえになるまでの経過

実際に差し押さえられてしまった後の現実的な対処法

について、私自身の経験から具体的にお伝えてしていきたいと思います。

 

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税金や国民健康保険料を滞納してから差し押さえが行われるまで

税金を滞納したらすぐに差し押さえが行われるわけではありません。

「督促状」や「催告状」が届く

まず、税金や国民健康保険料を滞納しつづけると、「督促状」が郵送で届きます。納期限から数か月くらいでこの督促状は届くのですが、この段階では

「未納の税金がありますので、延滞税と一緒にすぐに払ってくださいね」

というように支払いを促すような通知でした。

そして、督促状も無視して支払わないでいると、その後何度も「催告状」が届きます。督促状よりも強い形で、「支払わないと強制執行に移ります」というようなことが書かれていました。

実際、役所は何の予告もなしに差し押さえをすることはありません。自治体によっても督促状や催告状の届く頻度は異なると思いますが、私の場合は何度も督促状や催告状が届いていましたし、その都度支払い期限も書かれていました。

ただ、心のどこかで「まだ大丈夫だろう」「本当に差し押さえなんてするわけないだろう」という気持ちがあったのは事実です。正直、税金の滞納は「借金」という感覚ではなかったので、「もうすぐ借金を完済できるから、そのあとで払えばいいや」と思っていました。

督促状や催告状を無視していると、差し押さえの予告通知が届く

そして、ついに「差し押さえ予告通知書」が届きました。

ここで「差し押さえはさすがにまずい…」と思ってせめて役所に連絡すればよかったのですが、この期に及んでも今までどおりもう少しだけ引き延ばせるだろうと考えてしまったのが大失敗でした。

差し押さえ予告通知書には、いつも通り「指定期限は○月○日」という支払い期限の記載はされていますが、「その日までに払わないと×月×日に差し押さえを執行します」というような具体的な差し押さえの日程は書いてありません

これが、「差し押さえなんて本当にやるわけない」と甘く考えてしまった理由です。

そして、私の場合、それは指定期限の翌月に起こりました。

キャッシュカードでお金をおろせない&通帳に「サシオサエ」の文字が

とある給料日の翌日のことでした。すでに借金返済用のお金をお給料日当日の朝に下ろしていたのですが、翌日に家賃分などを下ろそうと思い銀行へ行くと、引き出しができなくなっていました。

前日には引き出すことができていたので、ATMの機械が壊れているんじゃないかと思い、別のATMで試してみたりもしましたが、結果は同じ。

キャッシュカードがダメならば通帳で引き出そうと思い、まずは残高を確認するために通帳記入をしてみると、そこには「サシオサエ」の文字と残高に「0」の文字が。

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これを見て、やっと状況を理解しました。税金の差し押さえが実行されていたのです。

口座に残っていた17万円ほどが全額差し押さえられていました。

 

滞納で銀行口座を差し押さえられたときの現実的な対処法

銀行に入っていたお金がなくなってしまうわけですから、正直言って相当焦ります。

私の場合、この差し押さえられた金額が持ち金のすべてで、これがないと生活ができない状態だったので、選択肢としては「役所に行って相談する」しかありませんでした。

ただ、このとき銀行口座が差し押さえられるというのはどういう状態なのかちゃんと理解していなかったのですが、

銀行口座の差し押さえ=その口座がずっと使えなくなるわけではない(口座の凍結ではない)

ということ。

実際には、口座に入っていた「預金」が差し押さえられるだけなので、口座自体は差し押さえがあったあとでも使えます。なので、私のように給料の振り込み口座にしていた場合、翌月の給料は問題なくまた同口座に振り込まれることになります。

なので、もし差し押さえされてしまったら、そのあと取る行動は現実的には2つです。

役所に相談に行って、滞納分の分割払いをお願いする

そのまま放置

私は、役所に相談に行って分割にしてもらうという道を選んだのですが、もちろんそのまま放置するという選択をする人もいるかと思います。

 

差し押さえられてもそのまま放置する場合

上にも書いたように、差し押さえられた口座はその後また使うことはできます。

なので、理屈から言えば、そのまま差し押さえをスルーすることも可能です(口座自体は使えるので、たとえば翌月の給料はこれまで通りその口座に振り込まれて、そのお金を引き出すこともできます)。

ただ、差し押さえられた金額よりも滞納額の方が多い場合は、再度差し押さえが行われることも考えられます

もっと言えば、たとえば「給料などが振り込まれたらすぐに引き出してしまえば、差し押さえられても問題ないよね!?」などと考えてスルーし続けたとしても、実は差し押さえの対象になるのは銀行口座だけとは限りません。

銀行口座の預金以外も差し押さえの対象

役所は、銀行口座に入っている預金だけではなく、家財や車・保険・給料なども差し押さえの対象にすることができるのです。

銀行の預金が空振りしたら、自宅の家財や引き出した現金を差し押さえられる可能性があります。

特に、給料の差し押さえが行われると、社会的な状況が厳しくなってしまうリスクがあります。

銀行口座の差し押さえは、給料の差し押さえではありません。たとえ差し押さえられたお金がお給料として入金のあったお金であっても、あくまで口座に入っている「預金」の差し押さえなのです。

銀行口座の差し押さえは、該当する銀行に連絡が入って口座のお金が差し押さえられるわけですが、それに対して、「給料そのもの」を差し押さえられる場合は、あなたが働いている会社に直接役所から連絡が入ってしまいます

そして、あなたに払われるべき給料の一部を差し押さえるのです。

つまり、支払われる給料そのものが減るのです。給料の場合は「差し押さえ禁止分」というのが決められていて、全額差し押さえられることはありませんが、それでも会社にあなたの税金滞納がバレてしまうという大きなマイナス面があります。

いずれにしても、そのまま放置すると別の差し押さえを執行されるリスクが高いので、できれば現実的な対処を取ることをおすすめします。

 

差し押さえられたときの現実的な対処法:役所に相談して分割払いにしてもらう

私はその日暮らすためのお金もなくなってしまったので、今さらではありますが話し合いをしたいと思って役所の収納課へと向かいました。

ここで、これまで滞納していたことをまず謝って、差し押さえがされたこと、そして手持ちのお金が一切なくなってしまって困っているので、支払いについて相談させてほしいことなどを伝えました。

私の場合は、事情(差し押さえをされてお金が一銭もなく生活できない)を説明したところ、どうしても必要な生活費だけ口座に返金してもらうことができました。

ですが、一度差し押さえられた預金はどんな事情があろうとも、一括納付しない限り返金しないという自治体がほとんどのようです

基本的には、「差し押さえされたらそのお金は戻ってこない」と思っておいた方がいいでしょう。

きちんと説明をすれば、分納で対応してくれる

差し押さえされて手持ちのお金もなく、莫大な滞納額を一括で支払えない場合に実際どうやって納めるのかというと、分納です。

早期に相談をしていれば、本当に支払える範囲で数千円からの支払いでも対応してくれます

私は当時2年分の住民税と国民健康保険料と延滞金を合わせて100万円ほどの滞納がありました。なので、正直言うと10数万円差し押さえされても焼け石に水でした。

残額が圧倒的に多かったので、その分の分納をお願いしたのです。

他の借金を返済している間は月々1万円ずつ、そして借金を完済してからは月々9万円ずつ支払うという約束で、3年近くかけて完納しました。

分納時の注意点

分納が認められた場合でも、本来は2年以内で完納できるような金額を設定するとのことです。

たとえば私のように100万円ほど滞納がある場合、2年で完納するためには1か月4万円以上の支払いが必要という計算になります。

さらに注意しないといけないのは、ふつうの借金と違って税金や保険料は収入がある限り翌年にも新たに発生するということ。

滞納の分割分+新たな税金

この両方を支払わないと、払っても払ってもなかなか減っていかないということになります。

 

私の場合は、他の借金の返済を考えると4万円は絶対に無理と主張して、借金返済が終わるまでは少額に抑えてもらいました。

そのために、収入金額の証明と支出の細かい明細を提出。光熱費などの領収書や家賃や借金分の振り込み履歴も証拠として提出をして、その上でやっと認めてもらったというかんじです。

分納中に連絡なしに滞納をすると、今度こそ待ってはもらえない

分納中に何の連絡もなく滞納した場合には、即座にまた差し押さえをするということも言われました。

ただし同時に、支払いが厳しい場合には相談に乗りますから必ず連絡してくださいという点も念を押されました。

病気やケガ、就労状況の変化は誰にでも起こりえます。このような最終段階においても、そうしたやむを得ない事情は役所は必ず加味してくれます。

私の場合、支払い用紙は3か月~半年くらいの分で送付されていたので、手元の支払い用紙が終了した時点で毎回電話で次の支払い用紙を送ってもらえるようお願いをしていました。

それが状況確認的な役割を果たしているのだと思われます。毎回そのときに「状況は変わりませんか」と聞かれました。逆に、変わらないと答えると「支払いの増額はまだできませんか」と聞かれることもありました。

最初は「1年半はこの金額って約束したのに!」とも思ったのですが、そもそも滞納して100%非があるのはこちらですし、14%(当時)もの延滞金を考えるとできるだけ早期に支払った方がいいというのも理解できます。

 

銀行口座を差し押さえられる前にできること

ここまでの話で、税金や国民健康保険料を滞納し続けることで、本当に「差し押さえ」が行われる可能性は高いということは分かっていただけたかと思います。

また、差し押さえされた場合の現実的な対処法もご紹介してきました。

ただ、もちろん差し押さえはされないに越したことはありません。

なので、税金や国保料を長く滞納している方に知っておいてもらいたい「本当に差し押さえられてしまう前に知っておくべきこと&すべきこと」をご説明します。

税金の滞納は借金と同じと考える

借金は返済しないと大変だけど、税金は待ってくれるだろうというのは間違った考えです。税金こそ待ってはくれません

税金の差し押さえ警告がきたら、支払いをしない限り間違いなく差し押さえは実行されると思ってください!

そう考えると、税金や国民健康保険料の滞納は借金以上にシビアであると言えます。

税金に時効はないの?

税金の滞納は借金と同じなら、時効はないのでしょうか?実は、税金にも時効はあります。住民税や所得税は通常5年で時効になります。

「5年払わないで無視していれば帳消しになる?」と思うかもしれませんが、残念ながらこちらが無視していれば勝手に時効になるわけではありません。

時効を阻止するためにも、役所は督促状を送って差し押さえを行うのです。たとえあと1日で時効を迎えるとしても、差し押さえをされると時効はそこでリセットされます。さらに5年たたないと時効を迎えることはできません。

取り立てる・取り立てないは役所の判断なので「絶対時効を迎えることは不可能」とは言い切れませんが、ほとんどの場合は督促→差し押さえを実行されて時効は中断すると思います。

ですので、税金に関しては「時効を迎える前に、役所は絶対差し押さえを実行する」くらいには思っていた方がいいでしょう。

支払いが厳しい時点で役所に連絡・相談をする

差し押さえの警告が届く状況というのは、当然税金が払えない経済状態なわけです。

そんなとき、払えないから連絡をしたくないという心理に陥りがちです。払えるようになったら(私の場合は、借金の返済が終わったら)連絡しよう、それまでは何とかごまかそう。

これも間違いです。連絡をして相談をすれば、役所は必ず応じてくれます。できないことを要求されるということはありません。きちんと現状を細かく説明して分納の約束ができれば、少額ずつの納付でも認めてくれます。

税金は毎年かかるということを覚えておく

上にも書いたように、他の借金と違って税金というのは収入がある以上毎年発生します

つまり、滞納分だけ支払ったら終了ではなく、その間に新しい税金も支払っていかなくてはならないのです。

滞納分+現在の税金分

を毎月支払っていくのはかなり大変。

また、住民税や国民健康保険料を滞納すると「延滞税」というのがかかります。長期間滞納すると延滞税だけでもかなりの金額になりますので、支払いはどんどんキツくなってしまうということは覚えておいてください。

 

税金や国民健康保険料が払えないなら早めに役所に相談すべき

私もそうだったのですが、他に借金があって税金を払うお金まで回らない、という人もいると思います。

その結果滞納してしまうわけですが、私のように最終的に差し押さえされた上に、莫大な延滞税を含めて何年もかけて滞納分を支払うことを考えると、結果的には割がよくなかったと思います(延滞税だけで数十万円払っていますので)。

なので、払えないなら払えないということを、早めに役所に相談するようにしましょう。無視し続けるほどダメージは大きくなります。

カードローンや消費者金融などの借金と違って債務整理することもできないので、税金は絶対に逃れられないものと思って対処するようにしてください。

 

▼年金の滞納がある人はこちらの記事も読んでみてください。

>>国民年金を滞納すると送られてくる「特別催告状」 これが届いたら無視せず必ず相談に行くべき!

コメント

  1. 四五十人 より:

    給料日の差押えは
    全額を差し押さえることは不可で
    預金は、全額の差押えが
    可能という事でしょうか?
    役人の考えそうな事ですね、
    生活費はどうにかしなさい、とか
    福祉へ相談しなさいとか 働くなという事か?
    税金を払わないのはいけないが、どうかな?

  2. 徴税吏員 より:

    現役の徴税吏員です。私の自治体では差し押さえたものはどんな事情があれ一括納付がない限り返還しません。なので事情を話しても返さない自治体があることも記していただけると大変ありがたいです。ネットで検索して「こういう事例があるからうちも差し押さえ解除してもらう権利がある」とおっしゃる方が実際に来庁するので…

    • nabana より:

      徴税吏員様

      コメントどうもありがとうございます。
      たしかに、「差し押さえされても、事情を説明すれば返金してもらえるから大丈夫」的なかんじに捉えられますね…
      誤解を招きそうなところは改訂&追記しました。
      こちらの記事でご迷惑おかけしてしまったことがありましたら申し訳ありません。