夏がきて気温があがってくると気になるのが「脇汗」。男女問わず、脇汗問題に悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
暑くて汗をかくのは仕方がないことですし、健全な生理現象です。ですが、こと「脇の下」にかく汗は、本人のみならずそれを目撃した周りの人たちにまで「残念感」「見てはいけないものを見てしまった感」を与えてしまいます。
そして、脇汗は場所がら乾きにくく、それが嫌な臭いの元となってしまうのです。ワキガじゃないからと言って油断はできません。
そんな私も、長年脇汗に悩まされ続けてきました。
通勤時に大量の脇汗をかいてしまうので、会社に着いたらまず上着を着て、脇汗が見えないように隠すというのが夏の日課。そのためだけに上に羽織れる服を持っていくのです…すごく面倒!そして暑い!そして自分が汗臭い!
当然これまでにもさまざまな制汗剤を試してきました。去年の夏まで使っていた制汗剤は主にドラッグストアで販売しているもの。どれを買えばいいのか判断できなくなるくらい、いろんな種類の制汗剤が店頭には並んでいます。
そんな中、本当に効果のある制汗剤を求めて、毎年何本もの制汗剤を次々と買い替えて使うのです。たとえば、同じ8×4でもスプレータイプは効かないけれどロールオンタイプなら効くかも!とか、去年のAg+はダメだったけど、今年の製品はバージョンアップして効果が出るようになっているかも!とか、そういう淡い期待を抱いて毎年購入するわけです。
そんな「ドラッグストア制汗剤難民」だった私ですが、毎年毎年「あれでもない、これでもない」と迷い悩み続けるのにいい加減うんざりしてしまったので、「結局どれがいいんだい!?もう面倒くさいから、ドラッグストアで人気のある商品と通販で人気のある商品を比べてみて、効果のあるものを使い続けよう!」と決心しました。
これは制汗剤に限ったことではありませんが、選択肢が多すぎると結局目移りして決定することができないという欠点があります。私のようにあれこれ試しては「効果ない」と次から次へ別の商品を購入してしまい、必要以上にコストもかかってしまうのが常です。
そこで、ある程度絞り込んで比較することにしました。
ドラッグストア代表「デオナチュレ」vs通販代表「デトランスα」 番外編助っ人「8×4ワキ汗EX」
まずドラッグストア代表は、人気No1と大々的に謳われている「デオナチュレ」。今、どこのドラッグストアでもイチオシ商品として店頭でも一番目立つところで展開しています。
そして、通販代表として「デトランスα」。通販も最近ではいろんな商品がありますが、「制汗」という観点から調べて一番評判のよい「デトランスα」を購入して試してみることにしました。
そして、やんごとなき理由から、ドラッグストア代表の助っ人として番外編「8×4ワキ汗EX」も購入して比較することになりました。理由はのちほど…
商品の特性と実際に使用してみた効果を比較
まずは商品の特性をそれぞれ調べてみました。そして、実際に使ってみた結果を比較検証しています。
ちなみに、検証結果の写真を撮った日は異なりますが、条件は以下でそろえています。
・徒歩で20分歩いたあとの状態
・時間帯は毎回午後2時台
・道のりは毎回まったく同じ
・最高気温が26度~28度の晴天の日
・毎回同じTシャツ
デオナチュレ
とにかく最近はどこのドラッグストアでもイチオシ商品として、店頭の一番目立つところにずらっとディスプレイされているのがこの「デオナチュレ」。アットコスメでも人気No1ということで「こんなに人気があるなら、もしかしてこれは本当に効果が高いのでは??」と思い、遅ればせながら今年初めて使ってみました。
デオナチュレの成分
焼ミョウバン、イソプロピルメチルフェノール、ハッカ油、メントール、メチルグリセリルエーテル、無水ケイ素、水添ヒマシ油、シクロペンタシロキサン、POPプチルエーテル1、セスキイソステアリン酸、ソルビタン、ステアリルアルコール、BHT
デオナチュレの原産国
日本
デオナチュレの特長
「天然アルム石」というミョウバンとも呼ばれる天然のデオドラント成分を配合。ミョウバンには高い殺菌効果と、汗を抑える効果があるそうです。また、「直塗り」タイプなので有効成分が肌に密着。なのにべたつかず、白くなりにくいという特長も。そして朝塗ったら夜まで効果が持続するという点もウリです。
デオナチュレを実際に使ってみた感じ
制汗効果:★★☆☆☆
各所で「人気No1」と謳われていたこともあって、相当期待していたのですが、実際は「制汗」に関してはほぼ効果を感じることができませんでした。
朝シャワーを浴びたあとと、午後出かける直前の合計2回塗っていました。
実は一度塗ってみてあまりにも効果を感じられなかったため、塗りが足りないのかもと思って再度しつこく塗ってチャレンジした結果がこの写真です。二度塗りならぬ十度塗りくらいの努力もむなしく、汗はTシャツに大きなシミを描いてしまいました。
それもそのはず、主要な有効成分である「焼ミョウバン」で調べて出てくる制汗効果とは、ミョウバンのもつ「肌引き締め効果」。肌を引き締める→汗腺を引き締める→汗を少なくできるということのようです。他の制汗剤の有効成分のように「汗腺をふさぐ」というものではなく、もう少しマイルドに「じんわりと肌を引き締めながら汗の量を減らす」というものでしょう。
期待が大きかっただけに、脇汗のシミがまったく解消されなかったのはちょっとがっかり。「しばらく塗り続ければ肌が引き締められるかも…?」と思い3週間ほど毎日続けて塗ってみましたが、変化はありませんでした。
消臭効果:★★★☆☆
殺菌効果の高いイソプロピルメチルフェノールを使っていることと、制汗成分として含まれている焼ミョウバンにも殺菌効果があるというダブル殺菌作用を考えると、臭いに関してはそれなりに期待できるかと思います。
ただ汗っかきの場合は、結局大量の汗を抑えきれないので、乾いたあと「なんとなく汗臭い」というのはついて回りますね。
ちなみに、パッケージには無香料と書いてありますが「ハッカ」のにおいがします。
コスパ:★★☆☆☆
私はドラッグストアで700円くらいで購入しましたが、この700円というのもほかの制汗剤と比べるとやや高めです。しかも、結局肝心の汗を抑えることがほとんどできなかったため、値段がいくらだろうとコスパは悪いという評価です。
総合評価:★★☆☆☆
成分から考えても、どうやら汗を抑える効果は薄いように感じます。もともとそんなに汗の量が多くない人で、なおかつ臭いが気になる人向けの商品かもしれません。私のように脇汗の量が多い人が制汗効果を期待して使うと、ちょっとがっかりする可能性が高いです。
…と、ドラッグストア代表があまりにも無残な結果に終わってしまったので、もう少し制汗に特化した商品はないのか探してみたところ、「8×4ワキ汗EX」を発見。そこで、助っ人としてこちらの商品も体験レビューしてみることにしました。
8×4ワキ汗EX(スティック)
8×4ワキ汗EXの成分
クロルヒドロキシアルミニウム、β-グリチルレチン酸、シクロジメチコン、ステアリルアルコール、イソノナン酸イソノニル、水添ヒマシ油、タルク、無水ケイ酸、POE水添ヒマシ油、ポリエチレンワックス、シクロペンタシロキサン、無水エタノール、セスキステアリン酸POEメチルグルコシド、トリシロキサン、マイクロクリスタリンワックス、アクリル酸アルキル共重合体ジメチコンエステル、メントール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、BHT、香料
8×4ワキ汗EXの原産国
日本
8×4ワキ汗EXの特長
通常の8×4と比較しても、よりワキ汗に特化して作られているシリーズがこの「ワキ汗EX」。6回分がパックされたクリームタイプのものも売っていて実はそれが一番効果がありそうでしたが、ドラッグストア商品としては割高なので(毎日使うと、1か月分で2,500円前後かかってしまう)、今回の比較ではコスパの高そうなスティックタイプを選びました。
「8×4ワキ汗EX」に含まれる有効成分はクロルヒドロキシアルミニウム。汗の出口を直接ふさぐことで発汗を抑制する効果があります。この成分はお肌への刺激がマイルドな点も特長です。
8×4ワキ汗EXを実際に使ってみた感じ
制汗効果:★★★☆☆
デオナチュレの有効成分であるミョウバンのように「肌を引き締める」というちょっと遠回りな効果と比べると、クロルヒドロキシアルミニウムは直接汗腺に働きかけることもあって「制汗成分」としては一段上に感じます。
実際に、デオナチュレを使ったときと比べると脇汗の面積は半分くらいに減少しました。脇の真下部分はけっこうなシミになっていますが、身ごろの前面にはそれほどシミは広がっていません。
8×4ワキ汗EXも朝シャワーを浴びたあとと家を出る前の1日2回塗りました。これなら、脇を締めて「気を付け」の姿勢をとっていればそんなに汗シミは目立たないかもしれません。ですが、ちょっとでも腕を上げて脇を開いたら脇汗をかいていることがバレてしまいます。
また、個人差はあると思いますが、塗っている期間中少し脇にかゆみが出ました。気になる方はご注意を。
消臭効果:★★★☆☆
汗の量が減った分だけ、臭いも気にならなくなるというかんじです。私が使ったのは【せっけんの香り】の商品だったのですが、時間がたってもほのかに石鹸の香りが残っていました。無香料のものもあるようです。私の場合は、結局臭いも汗の量に比例する気がしました。
コスパ:★★★☆☆
ドラッグストアで600円弱で購入しました。値段だけで考えると一般的な制汗剤とほぼ横並びです。★を4つつけるには、もう少しだけコストに対してのパフォーマンスがほしいところです。なので★は3つ。
総合評価:★★★☆☆
制汗、消臭、コスパのすべてにおいて、「ふつう」評価です。何も塗らないときと比べるとはるかにサラサラ感はあります。ただ、これさえ塗っておけばもう脇汗のシミを心配する必要はないというレベルまではちょっと遠いかなと感じました。脇汗のシミの面積が減ったのは目で見ても明らかだっただけに、とっても「惜しい」かんじです。
デトランスα
最後は通販で人気のデトランスα。こちらは輸入モノです。
こんなことを言っては何ですが、実は国産ではない時点でネットでの評判ももしかして眉唾ものかもと思っていました。ただ、私のように汗の量が多い場合、もうドラッグストアで売っている制汗剤ではちょっと無理かもなという思いもあったので、それなら一番効き目が強そうな通販ものをということでデトランスαを選んで試してみたのです。
デトランスαの成分
アルコールデナ、アルミニウムクロリッド、アルミニウムラクタート、プロピレングリコル、グリセリルステアラット、セチルバルミタット、スラミクロクリスタリン、トリイドクシステアリン
デトランスαの原産国
デンマーク
デトランスαの特長
デトランスαに配合されている制汗成分「アルミニウムクロリッド(塩化アルミニウム)」は、病院の多汗症治療でも用いられる成分です。アルミニウムクロリッドは水(汗)と反応すると「角栓」を形成し、その角栓が汗腺に蓋をすることによって汗を出なくするのです。さらに、汗腺自体を細くするので、汗の量はグッと抑えられるというわけです。
このアルミニウムクロリッドこそが、高い制汗効果を発揮する源とも言えます。
ただし、アルミニウムクロリッドはかゆみや炎症などを引き起こす恐れもあるので、敏感肌の人は様子を見た方がいいでしょう。また脇の処理をしたあとなど肌に傷口がある場合は、アルコールデナの影響で痛みやかゆみを伴う恐れがあります。
デトランスαを実際に使ってみた感じ
制汗効果:★★★★★
いろいろ試した中で、最強。塗り始めて5日くらいで、ほぼ脇汗の存在を感じなくなりました!
塗るのは夜入浴したあとに1回だけ。しかも翌朝シャワーで洗い流してしまいます。かなり強い成分とのことだったので、そのへんはしっかり用法を守って使いました。最初は直塗りは避けて、ティッシュにつけてから脇に塗るようにしていました。
最初の数日はまだTシャツの脇に薄い汗しみができていましたが、それでもかなり面積は小さくなっていたのでその即効性に本当にビックリ。1日ごとに脇汗が気にならなくなっていきました。
デトランスαをはじめて塗った翌日:脇を閉じていたら気づかれない程度の汗染み。8×4ワキ汗EXの半分くらいのシミ面積です。
5日後:汗染みはほぼ見当たらなくなりました。全くないわけではありませんが、写真のようにうっすらと湿っている部分がある程度です。このくらいなら、腕を上げてもほぼ気づかれません。
とか言うとなんとなく大げさに聞こえるかもしれませんが(笑)、こればっかりは「使ってみて」としか言えません。写真で効果を分かっていただければ幸い。
ちなみに、効果が強烈なゆえに懸念された「かゆみ」ですが、塗って少したつと若干かゆみを感じることがありました。ただ、数分続くようなかゆみではなく、一瞬で収まる程度のかゆみだったのでそんなに気になりませんでした。
消臭効果:★★★★★
そして、汗が出ないので、当然臭いもしなくなりました。なので、必然的に消臭効果も最高評価です。
実は汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。特に嫌な臭いの元になる汗が出るのはアポクリン腺。体内の脂肪やアンモニアなどがこのアポクリン腺から汗となって分泌されて細菌によって分解されると強烈な「ワキ臭」となるのです。このアポクリン腺に直接蓋をしてしまうので、臭いの元となる脂肪やアンモニアが含まれた汗が出ないので、ワキ臭もしなくなるというわけです。
コスパ:★★★★☆
通販商品ということ、しかも海外からの輸入商品であることから、価格はドラッグストアの商品と比べて4,800円と高めです。しかも、返品はできません。
それでも★4つ付けたのには、理由があります。
ひとつは、こちらの→デトランスα独占輸入元の会社の公式サイトから購入すると、初回限定の割引で4,800円の商品を2,900円(+送料600円)で買うことができるからです(初回限定割引と言っても、定期購入ではありませんので安心して買えます)。
「それでも高い!」と思うかもしれませんが、デトランスαは成分が浸透してきたらだんだん3日おき、5日おき、1週間おき…と間隔を空けて使用することができるので、よくよく考えると、ワンシーズン1本で済んでしまったりします。
そう考えると、本当の本当に脇汗を止めたいという人にとっては、パフォーマンス(制汗効果)という結果に対するコストとしては高いものではないと感じます。これが★4つの理由です。
結果の検証
3つの制汗剤を比較したまとめは次のとおり。
有効成分 | 制汗度 | |
デオナチュレ | 天然アルム石(焼ミョウバン) | 弱 |
8×4 ワキ汗EX | クロルヒドロキシアルミニウム | 中 |
デトランスα | アルミニウムクロリッド (塩化アルミニウム) | 強 |
どうしても脇汗を止めたいという人ならデトランスαを試してみる価値はあると言えるでしょう。
アルミニウムクロリッド(塩化アルミニウム)は多汗症治療にも使われている
汗が止まる・止まらないの差は、結局は「有効成分は何か」の違いだということが分かりました。デトランスαは皮膚科で多汗症治療でも使われている「アルミニウムクロリッド(塩化アルミニウム)」が有効成分として含まれているので、そういう意味では汗の量に一番改善がみられるのは当然のような気がします。
汗を抑えたいなら成分を調べること。これにつきますね。
これを知っていれば、私のようにドラッグストアであれこれ新しい制汗剤を次から次へと買いまくって、無駄なお金を散財する必要もないかと思います。
デトランスαはこんな人にオススメ
汗の量が多い人
絶対に脇汗のシミをつけたくない人
ワキガなど臭いをおさえたい人
ただし、デトランスαにもマイナス面はあります。
成分が強いので、かゆみが出ることがあります。肌が弱い人は気を付けた方がいいというか、使わない方が無難かもしれません。 トイレが近くなりました。抑えられた脇汗分の水分をどこか別のところから排出する必要があるのでしょう。私の場合その分が尿になって出ているようです。皮膚が弱くないなら、本気で脇汗をどうにかしたいのであればデトランスαを試してみる価値はあると思います。
こんな人なら8×4ワキ汗EXでOK
汗の量はそんなに多くない人
多少は脇汗のシミがついてもいい人
コストを抑えたい人
逆に汗の量はそんなに多くないという人であれば、8×4ワキ汗EXでも十分でしょう。ただし、個人差はあると思いますが、8×4ワキ汗EXもかゆみが多少出る場合があるようです(私は若干出ました)。肌が弱い方は注意した方がいいかもしれません。
制汗剤は今本当に多種多様な商品が発売されています。正直、「実際に使ってみないと分からない」というのが本音。パッケージや宣伝で書かれた文章を読んでも、実際にどの程度効果があるのかは分かりません。
ドラッグストア人気商品と通販人気商品を実際に使って比較してみた結論としては、制汗剤はどれが一番人気があるかで選ぶのではなく、有効成分で選ぶのが間違いなさそうです。
汗を止めたくて、制汗剤選びで悩んでいる方は参考にしてみてください!
>>デトランスα公式サイトはこちら
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