小学生の子供が家で勉強しない!そんな悩みを抱えているお母さんたちは、日本全国にたくさんいるでしょう。
典型的なのが通信教材です。塾より圧倒的にお金がかからないし、送り迎えをする必要もない。通信教材を子供が自分でちゃんとやってくれさえすれば、金銭的にも時間的にもお母さんたちの労力はぐっと低くなるのです。
でも、やらないんですよね~。その結果、「うちの子は家では絶対に勉強しない」→「無理矢理やらせようとしていつも喧嘩になる」→「自分がイライラするのがイヤだから、塾に入れるしか方法がない」と、行きつくところは塾なんです。塾が悪いわけでは全くありませんが、勉強嫌いな子供が、昼間何時間も学校で勉強してきたあとにさらに塾で勉強したいものでしょうか?遊びの時間が減っても塾へ行きたいと思うものでしょうか?
個人的には、授業の内容を授業中にちゃんと理解して、学校から出される宿題を自分でやることさえできれば、プラスアルファの勉強は必要ないと思っています。ただ、学校によっては十分に宿題が出ないとか、たくさん勉強させることが目的ではなく、あくまで「勉強嫌いな子供に習慣だけはつけさせたい」という目的であれば、上手に教材を使って自学のやり方を身に付けさせることには賛成です。宿題レベルでいいのですが、自分で勉強できない子供は、中学へ行ったときに間違いなく勉強についていけなくなります。
「家で自分で勉強をさせるのは理想だけれど、そもそも勉強嫌いで家ではまったくやらないんだから塾へ入れるしかない!」と思っているお母さん。勉強嫌いな子供を無理矢理塾へ行かせてもっと勉強嫌いにする前に、最後の手段と思って「朝勉強」を試してみませんか?しかも、やらずにためてしまった古い通信教材も有効利用できたら言うことないですよね!?
「朝の忙しい時間に、子供に勉強をやらせるヒマなど1秒たりともない!!」と思うかもしれませんが、やることはものすごく簡単。たった3分(ムリなら1分)あれば十分なのです。
朝勉強のやらせ方
まず、子供に勉強をやらせるのは、朝食の直前です。やらせる量はほんの少しでかまいません。計算問題や漢字の問題なら2~3問、文章題なら1問でOK。長くても3分で終わるくらいの量です。
わざわざ問題を作ったり、別に問題集を用意する必要もありません。やらなくてたまっている通信教材と蛍光ペンだけ準備してください。今日やる部分(1問~3問程度)に蛍光ペンで印をつけて、キッチンのテーブルの上に置いておきましょう。あとは、朝食をテーブルに並べる前に子供にやらせるだけです。
もちろん、勉強嫌いな子供ですから、ある程度の抵抗をされることは覚悟してください(笑)。それでも、学校から帰ってきて遊びの誘惑が多い状態で、無理矢理机に向かわせて勉強させる労力と比べたら圧倒的に楽にやらせることができるはずです。
ポイントは、できる問題をやらせること
勉強嫌いな子供は、解くのに時間がかかる問題だと分かった瞬間に放棄します(笑)。自分が分からない問題は投げ出します。
逆に「1+1=」という問題ならどうでしょう?これさえやれば、夕方宿題以外に勉強しなくていいんです。1+1なら簡単に解けるわけですから、いくら勉強嫌いな子供でもサクッとやってしまいますよね。
「自分で勉強する」という習慣をつけるための朝勉強なので、問題は子供が簡単に解けるものから始めるようにしましょう。ちゃんと習慣がついたときにはじめて、苦手なところをやらせるようにすればいいのです。
今は苦手がない子供の場合
今授業でやっていることはちゃんと理解できている、ただ単に勉強をしたくないだけ、という子供であれば、授業で習ったばかりのところをサクッとやらせるようにしましょう。
実は、この「今は分かっているけど、勉強をすることが嫌い」という子供は、学年が上がって内容が難しくなり、授業についていくのが大変になったときに、あっという間に勉強から脱落してしまう予備軍です。それを防ぐためにも、まだ授業が分かっているうちに、ほんの少しの時間でも自分で勉強する習慣をつけることが大事ですね。
小学生のうちはギリギリなんとかなったとしても、中学生になると学校で授業を聞いているだけでは分からない部分というのが必ず出てきます。そのときに、ちょっとでも自分で勉強ができる状態になっているかどうかで、そのまま脱落してしまうのか、それとも分からないところをなんとか克服していくことができるかが分かれるのです。
授業についていけなくなった反抗期真っ最中の中学生を無理矢理塾へ入れて、それでも自分で勉強しないから高いお金を払っている割に全然成績が上がらない!と焦っているお母さんが多いのが現実。小学校6年間まったく自分で勉強しなかった子供が、中学生になったとたんに急に心を入れ替えて自分で勉強するようになる可能性はものすごく低いのです。
なので、今は分かっているけど勉強が嫌いでやりたがらないという子供は、ちょうど授業で習っている単元の「基本」問題だけを2~3問やらせればOKです。昨日習ったところなら、イヤでも覚えているはずなので、早ければ1分で終わります。この1分の積み重ねが習慣になります。
すでに苦手がある子供の場合
もし、すでに授業で分からない部分がある子供の場合には、今習っている苦手部分をやらせるのではなく、1学年~2学年前の問題をやらせるようにしましょう。もし去年の通信教材をやらずにそのまま押入れにしまい込んであるならば、今こそ絶好の出番、有効活用することができますね。
子供というのは、自分で勉強することができるようにならない限り、どんなにお母さんが必死に教えようとも、どんなにいい塾へ行こうとも、苦手を克服することは無理です。順番はあくまで「自分で勉強する、自分で覚える」ことができるようになるのが先なのです。苦手克服は、そのあとです。
なので、たとえ苦手があったとしても、できないところをピックアップして怒るのではなく、できることをピックアップして褒めてあげましょう。
たとえば、算数の割り算でつまづいている3年生の子供なら、割り算のことはひとまず横に置いておいて、2年生の掛け算九九の問題を3問やらせるのです。もし掛け算もあやしければ、引き算でも足し算でもいいのです。とにかく、できる問題をサクッとやらせることが大事です。「勉強は難しい、できない、イヤなもの」という気持ちを「勉強ってすぐ終わるし、簡単じゃん?」という気持ちに変えるのです。
子供と約束をする
そして、子供に約束です。
「今これだけやれば、学校から帰ってきたら宿題以外に勉強しろって絶対に言わない」
遊び>勉強の子供ならば、これは嬉しいですよね。できれば宿題もやりたくないのが本音でしょうが、宿題だけならイヤイヤながらもなんとかやるという子供はけっこう多いはずです。
これで、学校から帰ってきたらやることは宿題のみ。宿題さえ終われば、「チャレンジやったの!!??怒怒怒」というお母さんからのイライラ攻撃にさらされることなく、ゲームだろうがテレビだろうが、好きなことをやれるのです。
*ただし、今の授業内容が分からなくなってしまっている子供は、宿題ですら「できません」。やりたくないからやらないのではなく、できないからやらないのです。この場合には、できる部分だけやらせて、分からない部分はそのまま空欄で学校に持って行って先生に質問をするというのがベストです。
朝勉強がやりやすい理由
勉強嫌いな子供に、あえて忙しい朝に勉強をさせるのは、親の側にも子供の側にもメリットがあるからです。夕方やるよりも、圧倒的に楽なのです。
すでに習慣となっていることをうまく利用する
起きてから学校へ行くまでの間に、すでに習慣となっている「朝食を食べる」という動作があるはず。これをうまく利用しちゃいましょう。
朝食を食べるためには、自然とキッチンのテーブルに向かって座るという動作をしますよね。この動作の一部として、「朝勉強」を組み込んでしまうのです。わざわざ机に向かわせて勉強させるよりも、すでにある流れの中に勉強を組み入れてしまう方が100倍くらい楽なのです。
遊びモードになっていない「無」の状態をうまく利用する
学校から帰ってくると、子供の頭は「遊びモード」に切り替わってしまいます。特にやっとの思いで宿題を終えた子供というのは、勉強のことなど頭の片隅にもなくなります。その完全遊びモードからもう一度勉強モードにさせるのは、ものすごい労力がいるわけです。子供も親も。だから喧嘩になるわけですね。
その点、朝は何モードにもなっていません。勉強モードにもなっていませんが、遊びモードにすらなっていないのです。この「モード無し」の状態が、習慣づけには最適なのです。勉強モードになっていなくても、自分が解ける問題を2~3問ならサクッと解けるはずです。朝お腹が空いていなくても、目の前にごはんを出されると何となく食べてしまうのと同じ状態にするのです。勉強をやりたいわけではないけれど、目の前に出された問題をなんとなく解いてしまう。これが習慣の一歩なのです。
親と子供、両方の勉強のストレスを解放するなら朝勉強が一番!
朝勉強は、あくまで「自分で勉強するという習慣づけ」のために行うものです。できない問題をできるようにするとか、勉強を好きにさせるとか、そういう高い志は二の次です。逆に、それを子供に押し付けないようにしましょう。
習慣とは、好きとか嫌いとか、やりたいとかやりたくないとか、そういうこととは全く関係ないのです。やる気があろうがなかろうが、「とにかく、やる」という状態にさせることです。
習慣づけが大事というのは、世の中のお母さんたちは痛いほどよく分かっていることでしょう。その一方で、一番難しいのも習慣づけなんですよね。大事だからこそ難しい。だから、親も子供もいきなりハードルを上げて「毎日、宿題が終わったあとに30分自主勉強をする」といった無謀な目標を立てるのではなく、今すでに確立している習慣の流れの中にうまく「勉強」というものを紛れ込ませることで、少しずつ、1分1問ずつ、自分でやる力を育ててあげることが大事なのです。それが、子供にもお母さんにもストレスが少なく習慣をつけることができる方法です。
勉強嫌い・遊び大好きな子供は、勉強よりも遊びたいのです。これは当たりまえ。遊びたいのに、無理矢理勉強させられたら、どんどん勉強が嫌いになってしまいます。
だったら、朝のこれまで「ぼーっ」としていたほんの2~3分のスキマ時間を勉強にあてるようにして、学校から帰ってきたあとは宿題さえ終われば好きなだけ遊んでいいよという約束にしてみませんか。親子ともにお互いストレスが少なく、なおかつ子供にとっても「勉強をすることのイヤ度」が下がるので習慣にもなりやすいのです。
勉強嫌いな子供を塾へ入れる前に、最後の手段としてこの「超短時間朝勉強」をぜひ1か月だけでいいので試してみてください。1か月後には、ちょっと勉強への向き合い方が変わった我が子の顔が見られるかもしれませんよ!
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