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ブラック企業から抜け出すためのたったひとつの決断

ビジネス

最近では、ブラック企業という呼び方が世間でもすっかり定着して、SNSなどの普及もあってその悪しき業態が衆目の下にさらされるようになってきました。

ある程度の大企業や中規模の企業では、そういった告発によって労働環境を改善せざるを得なくなったところも多いでしょう。

そういう意味で、人目に付きやすい大きい会社はまだいいとして、問題は小規模の会社や零細企業の場合でしょう。

私自身、10年ほど前には相当ブラックな会社で働いていました。

今思えば「なんでもっと早く気付いて辞めなかったんだろう」というくらいの凄まじさでしたが、当時は「それでも頑張ろう、これを乗り越えたら成長できる」とある意味自分で自分に洗脳をかけていたように思います。

この自分への洗脳を解くこと。これが、ブラック企業から抜け出す最大の特効薬なのです。

 

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最初からブラック企業と思って入るわけではない

そもそも、入社した当初から、「さあ!これからブラック企業に入社するんだ!がんばらなくちゃ!」なんて思って入るわけではありません。

入る前に見極めるのは、なかなか難しいでしょう。

入社してしばらくすると、だんだん「あれ、何かおかしいかも」と感じだします。

この段階で勘が働いてそうそうに辞めることができるのが一番いいのですが、ふつうの人の思考回路なら「入ってすぐに辞めるなんて、大人としてやっちゃダメなこと」「またイチから就活やり直しとか無理」などと考えて、そのままその会社にとどまってしまう人がほとんどでしょう。

そうこうしているうちに、少しずつ「会社の流儀」に染まっていってしまい、本能が「これはヤバいのでは??」とシグナルを発するころには自分への洗脳も完了していて抜け出せなくなってしまう、というパターンが多いのではないでしょうか。

気が付くと、ブラック企業にどっぷりで、分かっているけど辞められないという状態です。

 

ブラック企業の一例

ちなみに、私が経験した「ブラック企業」とは、こんな感じです。

1.勤務時間が異常に長い。

毎日夜中まで仕事をしても翌朝定時には会社にいないといけない。

2.残業しないで帰ることは許されない。

もちろん残業代など支払われない。

3.休日は出勤するか、もしくは家に持ち帰って仕事をする。

週末までに自分の仕事をきちんと終わらせてしまった場合でも、他の仕事を回される。

4.給料が安い。

にもかかわらず、お前にはこんなに払っていると言われ続ける。

5.ペナルティ制度があり、何かしらミスがあると減給される。

ついには給料が出なかった月も。

6.ボーナスは、ない。

そもそもボーナスという概念がない。

7.社員に払う金は惜しいが、会社の金使いは荒く、常に自転車操業。

経費で買うべきものも自腹を切らされるなんて当たり前。

8.飴とムチ。

パワハラや暴力による支配が凄まじいが、誕生日プレゼントをくれたり、たまに有名レストランに連れて行ってもらえる。ものすごく褒めたたえられることも。

9.精神論が大好き。

その割に、社員の精神面には無頓着。

10.社長やその他権力者の意識が高い。

自己啓発本などを無理矢理買わされて(もちろん自腹で)読まされる。故・スティーブ・ジョブスなどを敬愛。部下にもそういう考え方を強制する。

 

これだけのことを経験しても、なかなか辞めることができませんでした。

会社が辞めさせてくれない(これも、ブラックの典型ですが)というのもありましたが、自分でもこの負のスパイラルから抜け出すことができなかったのです。

 

これは洗脳なんだということに気付く

抜け出せない理由は、自分の意思が弱いからでもなんでもなく、私は洗脳だと思っています。特に、上に書いた8~10までの項目。ブラック企業は、このように精神面からじわじわ入り込んできます。

今書いていて、なんとなくDV(ドメスティック・バイオレンス)と状況が似ているような気がしてきました。どちらも、「このままじゃいけない」と心のどこかで思いつつ抜け出せないというのが共通していますね。

秀逸な隠れ蓑があるので気づきにくい

理想を掲げ、自分を高め、それによって成長できる。

これだけ見ると、非の打ちどころのないくらいの「正論」です。ここが曲者なのです。正論を振りかざして、それを隠れ蓑にすることで、上でいう1~7のような「暴挙」がまかり通ってしまうのです。

つまり、二重構造になっているのです。

表面⇒「既成概念にとらわれず、どんどん新しいことにチャレンジしよう!理想を追い求め、常に努力することで会社も自分も成長していけるんだから」

実態⇒「会社の仕事をしたからって給料が勝手に出ると思うな。これは自分のためなんだから、極限まで自分を追い込め。努力と結果こそすべて。甘い考えでは一流になれない!」

この表面の「理念」的なものでうまくコーティングされてしまうので、自分でも深層部が見えなくなってしまうのです。

これが、洗脳です。

もちろん自分でもこの深層部に気付くことはあるのですが、表面のバイアスがかかるために正常な判断ができなくなってしまうのです。

 

最終的に洗脳をかけているのは自分であると気づく

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最初のきっかけは、言うまでもなく会社側です。会社に与えられた環境が「洗脳」としてじわじわとあなたの頭に入り込んできているのです。

ですが、それを最終的に信じ込む・思い込むのは紛れもない自分自身なのです。

「ここで踏ん張れば、自分は成長できるんだ。理想を掴めるんだ。成功できるんだ」

もちろん、何をやるにもこうした気持ちは大事です。まっとうな会社でだったら、こうした意識をもって仕事に臨めば、それ相応のリターンを得ることができるでしょう。

ですが、ブラック企業の場合には、あなたはボロ雑巾のように消耗するだけで、求めていたものを手に入れることはまず不可能でしょう。

表面上は同じ理念・同じ正論を掲げていても、その裏に隠れた「不当な扱い」が存在するなら、その理念・正論は単なる隠れ蓑でしかないのです。

それを自分自身でもすり替えてしまうから、だんだんと不当な扱いに耐えることが美徳となってしまうのです。

「正論」の部分を疑う

まずは、自分が今やっていること、置かれている環境を客観的に眺めてみて、自分自身で思い込んでいる「理想論」を外していきましょう。間違えないでほしいのは、深層部にある「不当な扱い」を浮かび上がらせようとするのではなく、まず先に表面の「正論」の部分を疑ってみてください。

本当に今踏ん張るところなのか?

本当にここでしか成長できないのか?

本当にここにしか理想はないのか?

本当にここで成功したいのか?

あれ?もしかして、自分が追い求めていた成長や理想や成功は、ここじゃなくてもできるんじゃないのか?もしかしたら、ここじゃない方が成功できるんじゃないのか?

ぼんやりとでも、そうした答えが出てきたら、半分くらいは自分の洗脳は解除されています。

ついでにこのとき、周りの親しい人のことを考えてみてください。親でも、兄弟でも、妻でも、夫でも、恋人でも、親友でも、旧友でも。その人たちは、あなたの姿を見て心配したことはなかったでしょうか。そうです、彼らの目の方が正しかったのです。彼らに心配をかけ続けたいですか?

覚悟を決める

あとは、抜け出す覚悟だけです。自分で決めないと物事は決して動きません。

辞めさせてくれない、話が通じないというならば、ぶっちぎって行かなくなってしまえばよいのです。ほんと、それだけです。洗脳がかかっているときは、ぶっちぎるなんてとんでもないことのように思えますが、やってみると大したことはありません!

電話は鳴り続くかもしれませんが、着拒にでもしておけばよいのです。ラインはもちろんブロック。家に来るかもしれませんが、出なければいいだけです。しばらく旅行にでも行ってもいいかもしれません。

 

ブラック企業を抜け出すには、自分が自分にかけた洗脳を解いてあげる

最終的に自分のことを決められるのは自分だけです。辞めることで失うものはないということを、他の誰でもない「自分」が知るべきです。

まずは、自分で自分を解放してあげましょう。

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