バイトの情報サイトを見ているとよく見かけるのが「テレアポ」の仕事。
テレアポとはテレフォンアポインターの略です。
自宅にテレアポの電話がかかったきたことがある人も多いと思います。電話を受けたことがあれば分かると思いますが、商品などの営業電話をかける仕事がテレアポなのです。
「電話をかけるだけなら簡単そう」とか「時給がいいから楽に稼げるかも」と思うかもしれませんが、本当に簡単に儲かる仕事なのでしょうか?
ここでは、テレアポの具体的な仕事内容と、平均的な時給について説明していきます。
電話をかけて約束を取り付けるのがテレアポの基本業務
テレアポというくらいなので、当然電話をかけて営業活動をするのですが、扱う商品によって個人宅への電話がけと法人への電話がけとに分かれます。
ちなみにテレアポと混同しやすいのが「テレフォンオペレーター(テレオペ)」です。テレオペはかかってきた電話に対応するという仕事で、自ら電話をかけるテレアポとは全く性質の違う仕事ですのでお間違えなく。
個人宅への営業
保険や金融商品、不動産、学生用の教材や家庭教師派遣、太陽光発電の設置、リフォームなど、多岐に渡る商品サービスを個人に紹介します。
最近では、自宅の固定電話だけでなく、携帯に営業電話がかかってくることも増えました。
法人への営業
法人へ紹介する商品は、ネット回線やプロバイダ、社内システム、コピー機のリース、派遣、求人情報誌などが多いです。
また、法人(特に大きな企業)への電話は担当者(決定権のある人)に電話を取り次いでもらうまでにもハードルが高いため、個人営業よりもアプローチの工夫が必要となるでしょう。
どんな約束を取り付けるの?
テレアポでは、商品やサービスの契約までは行わないことがほとんどです。
新規の契約がほしい会社が、そのプロセスとして「まずはこんなサービスがありますよ」ということを相手に知ってもらって、契約につながるアポイントを取るのがテレアポの仕事です。
契約に至るまでの最初の一歩の部分なのです。
資料を送るための約束を取り付ける
電話でざっくりとした説明をして、興味を持ったお客様にさらに詳しい資料を送付します。
資料だけなら「じゃあ送っておいて」と軽く言ってくれる人も多いので、ここまでのプロセスは意外とハードル低く進めるでしょう。
ただし、資料を送って放置では意味がありません。送付したお客様が資料を受け取って読んだであろうタイミングを見計らって再度電話をします。
資料を読んだ・読まない、読んで興味を持った・持てなかったがはっきりしますので、ニーズがあるお客様を絞って営業をかけやすくなります。
資料を見たあとでも1度の電話だけでは契約の意思まで至らないことが多いので、見込み客にはしつこくなり過ぎない程度に粘り強くアプローチすることが大事です。
いかに多くの見込み客を作れるかが、そのまま契約数に結び付きます。
自分以外の営業マンが訪問するための約束を取り付ける
電話担当と営業担当が分かれているパターンです。
この場合テレアポの仕事は文字通り「電話で約束を取ったら終了」です。その後はすべて営業担当の仕事です。要するに、契約の部分には一切かかわりません。
アポを取るだけなら簡単かもと思うかもしれませんが、実際に契約までもっていく営業とは異なるスキルが必要です。
まず、できるだけ多くのアポ本数を取ることが必要となります。アポからの成約率が100%ということはあり得ないためです。
また電話の時点ではあまり詳しい説明はせずに、できるだけ気楽に見てもらうための工夫をすることが大事です。電話だけで契約の意思まで勝ち取ることは不可能だからです。
契約につなげたい一心で一から十まで説明をして手堅いアポを取ろうとすると、アポの本数が落ちるだけでなく、成約率も低くなってしまうことが多いです。買ってほしい気持ちがひしひしと伝わってしまうので、せっかくアポになっても相手に必要以上の警戒感を与えてしまうことになりかねません。
自分のアポが契約にあがってほしいと思うのは当然ですが、自分の仕事は時間の約束をつけるところまでと割りきって行うようにしましょう。
自分でアポを取って自分で営業に行く
営業マンが自ら電話でアポを取っていくパターンです。
これは何も営業会社に限ったやり方ではなく、一般的な商社などの営業マンが新規に顧客を開拓する際にも行いますね。
自分で電話をかけて自分で契約までもっていくので、テレアポのみの業務と比べると難易度はあがりますが、アポさえ取れたら成約率は高くなるでしょう。電話の段階である程度詳しい説明ができますので、相手のニーズを探りやすいからです。
テレアポバイトは楽で稼げるってホント?
求人情報サイトを見ると、テレアポのバイトは「高時給」に分類されていることが多いです。実際稼げるのでしょうか。
テレアポの時給は高い?
東京23区のテレアポバイトの平均時給を調べてみたところ、1,449円でした(2019年時点)。
東京23区の全職種の平均時給が1,322円だったので、テレアポのバイトは平均よりも100円以上高いことが分かりますね。東京都内だけでなく、全国的にこうした高め時給の設定になっているところが多いようです。
また、基本時給にプラスして「インセンティブ」という成果報酬が追加でもらえるところが多いのも特徴です。契約数や売り上げに応じて、お給料が上乗せされるというものですね。
私が知っている中でも、基本時給が1300円+インセンティブの上乗せ時給2500円=3800円という高時給を達成したスーパーアポインターがいました(私ではありません笑)。
契約につながるようなアポがたくさん取れるなら、非常に魅力的なバイトであると言えるでしょう。
テレアポの仕事は楽?
テレアポのバイトは、短時間勤務で募集しているところがほとんどです。また、基本的にデスクに座っての業務なので、短時間・座り業務ということを考えると体力的には「楽」であると言えるかもしれません。
ただし、基本的には成果主義の仕事なので、ただ作業をしていればお金がもらえるという考えではまず続きません。明確であろうと暗黙であろうとノルマがある場合がほとんどなので、ノルマを達成できずに辞めていく人が多いのも事実です。精神的には決して楽とは言い切れません。
高時給・短時間の裏には、このような厳しい実力主義の現実があることも覚えておきましょう。
結局テレアポはいいバイト?大変なバイト?
こういう言い方をしてしまうと元も子もないですが、向いている人にとっては短時間でバンバン稼げる神バイトですし、不向きな人にとっては電話で怒られアポ取れずに上司に怒られでストレスばかりたまる地獄のバイトです。
ただし、面白いのは、話すのが上手な人が「向いていて」、話し下手だから「向いてない」かというと、一概にそういうわけでもないのです。
実際に、話し下手な人の方が誠実な印象を与えることができて成功したという事例もあります。
つまり、自分の個性をうまく仕事にフィットさせることができるかどうか、そこだけが「向いている」「向いていない」の分かれ道でしょう。
▼テレアポとテレオペの違いについてはこちらの記事で読むことができます。
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