上野・御徒町の顔とも言える「アメ横」。戦後の闇市から発生したこの有名商店街には、魚屋・乾物屋・フルーツ屋・洋服屋・カバン屋・時計屋・お菓子屋・スポーツ用品店などがひしめきあって独特の喧騒を作り出しています。
そんなアメ横の代名詞とも言えるのが、カニやマグロなどの大安売り!テレビなどでもよく取り上げられる風景ですね。5,000円の中トロが1,000円にまけてもらえたり…。でも、本当においしいのか謎じゃありませんか?
そして上野・御徒町エリアで最も有名な魚屋さんと言えば、御徒町駅前の「吉池」。
アメ横の南端を抜けたところ、御徒町駅の前に吉池ビルがドーンとそびえ立ちます(ユニクロとGUが入っているビル)。「プロが求める鮮度と品揃えを、市場プライスでご提供」と公式ホームページに謳っているように、市場クオリティの魚が買えてしまう東京でも有数の魚介専門店です。会社設立から96年(創業からは100年以上!)というものすごい老舗です。
アメ横 vs 吉池。カニを買うなら、マグロの大トロを買うなら、どちらで買った方がいいのでしょうか?美味しいものをお得に買いたい、失敗したくないという人は必読です!
吉池のカニ・マグロ(大トロ)
まずは吉池へ向かって、カニとマグロの大トロを購入しました。
吉池では、カニもマグロも大々的にコーナーを設けて売り出されています。
カニは冷凍ズワイガニ700g。2,800円で購入です。
マグロは特売品のメキシコ産生本マグロ(養殖)大トロを1,500円で購入。吉池はマグロの種類がものすごく豊富です。マグロ好きなら絶対に一度は行くべき。
アメ横のカニ・マグロ(大トロ)
吉池を後にして、いざアメ横へ。アメ横にはメイン通りに6~7店くらいの魚屋さんがあります。特に年末になるとかきいれどきということもあり、どのお店でも普段よりもいっそう激しい売り込み合戦が繰り広げられます。
店の前に立ち止まって視線をマグロに移しただけで、「はい!マグロ中トロ1,000円でいいよ!!大トロもつけて2,500円にしてあげる!」なんて、こちらが一言も「ください」なんて言っていないにもかかわらず、押し売りされそうになります(笑)。まあそれがアメ横の醍醐味なんですけどね。
アメ横の魚屋さんは、どこもそんなに値段は変わらないようです。
カニは、冷凍ズワイガニ1kgを2,000円(元の値段は4,000円!)で買いました。元の値段は4,000円ですが、どのお店でも半額の2,000円で売っていましたので(笑)、まあ想定価格は最初から2,000円ということでしょう。
そして、マグロ。吉池で大トロを買ってしまったので、比較するためにも同じ「大トロ」を買わなければなりません。冷凍のマグロ(大トロ)を1,500円(元の値段はなんと8,000円!)で購入しました。約8割引です(笑)。ちなみに、太平洋産らしいですが種類は分かりません…
アメ横 vs 吉池、大トロのマグロを食べ比べ
上が1,500円のアメ横大トロ、下が1,500円の吉池大トロです。こうして並べてみると、なんとも不安になるビジュアルです(もちろん上の方、笑)。
(しかもアメ横大トロは、持ち帰る間にラップが破れてしまいました涙)
ただ、アメ横大トロは冷凍されているから色が悪く見えるだけかも…と気を取り直して、「冷凍マグロの美味しい解凍法(3%の塩水に10分ほど浸けて、水気を拭き取ったあとキッチンペーパーとラップでくるんで冷蔵庫に3~4時間)」とやらで解凍してみました。
いざ、アメ横大トロ、吉池大トロを、それぞれお刺身でいただきます。
*ちなみに、アメ横のお店で「これ、刺身で食べられますか…?」と尋ねたところ、「あたりめえだろーが!!何てこと聞いてきやがんだ!!」と怒られてしまいました!大変失礼いたしました。
アメ横大トロの味と食感
アメ横大トロ(解凍後)がこちら。
なんとなく、安い居酒屋で出てきそうなマグロのお刺身ですね。筋が入っている点はトロらしい風貌と言えなくもないのですが、パッと見ても分かるように、大トロなのに脂がまったく乗っていません。
トロ特有の「サシ」がまったく見られないのです。そして、とにかく色が薄く、くすんでいます。
肝心のお味はというと、見た目そのままというか、脂っ気なし、たんぱくでマグロの味自体ほとんどしません。筋が固くて噛みごたえがあり(笑)、逆に身の部分は柔らかいけど、食感がなくすぐ崩れるようなモロい感じです。
いわゆる一般的な「大トロ」の概念からすると、別物のような気がします(笑)。
吉池大トロの味と食感
一方、吉池の大トロはこちら。
見た目もつやつや、そしていい具合にサシが入っています。脂がのっているのが一目瞭然ですね。きれいなピンク色です。
そしてお味の方はというと、これぞ大トロってやつです(笑)。口に入れた瞬間に、脂の甘さが広がるのが分かります。身はプリプリしていて、柔らかいけどしっかりした食感。そして噛むととろけるような繊細さ。
つまり、とっても美味しいです!
結論
こうして並べてみるとよく分かります。見た目だけでも、その違いは明らかですね。
ちなみに、この1皿(約10切れ)で吉池大トロは丸々1パック分、アメ横大トロは半パック分です(まだ半分残っている…)。どちらも1,500円だったので、アメ横大トロの方がコスパは2倍ということになりますね。
アメ横マグロ | 吉池マグロ | |
値段 | 1,500円 | 1,620円(税抜1,500円) |
分量 | 約300g(吉池の2倍ほど) | 約150g |
見た目 | × | ◎ |
味 | ×に近い△ | ◎ |
この比較表から分かるとおり、マグロは絶対に吉池で買った方がいいです!異論を挟む余地はありません。
「アメ横大トロは、たまたまハズレを買っちゃっただけじゃない?」と思うかもしれませんが、一応これ2回目のトライなんです。
1度目もほとんど同じようなクオリティでしたので、だいたいこんな感じと思っていいのではないでしょうか。
アメ横 vs 吉池、ズワイガニを食べ比べ
左が2,000円のアメ横ズワイガニ(約1kg)、右が2,800円の吉池ズワイガニ(700g)です。
両方とも冷凍もので、さらに殻もついているので(吉池ズワイガニは半分むき身ですが)、マグロと違ってビジュアル的にはほとんど違いがありません。
まずは1日かけて冷蔵庫で解凍。両方とも一度ボイルしてから冷凍されているので、解凍後そのままいただきます。
解凍した状態がこちら。
なんだかずいぶん分量に差があるように見えますね。左がアメ横、右が吉池です。
アメ横ズワイガニを剥いてみた
棒(腕)の部分です。
爪の部分。
肩の部分。
どの部分もしっかり身が詰まっています。マグロの失敗があったので正直「もしかして、剥いてみたらスカスカだったりして…」なんて不安もあったのですが、いい意味で悪い予感を裏切ってくれました。これだけしっかり詰まっていたら大満足です。
アメ横ズワイガニの味と食感
アメ横ズワイガニは、身がしっかりしているので食べ応えがあります。特に爪は「タラバか!?」と思うくらいガッツリした食感。
お味はというと、塩味が強め。カニの味はちゃんとありますが、甘みはほとんど感じませんでした。全体的に風味を味わうというよりは、ガッツリ食べたい人向けですね。
吉池ズワイガニを剥いてみた
棒(腕)の部分です。
爪の部分。
肩の部分。
吉池ズワイガニはやや小ぶりな印象です。アメ横ズワイガニは肩から脚までつながった状態だったのに対して、こちらはカットした状態で売られているので、よけい小ぶりに感じるのかもしれません。身はほどよく詰まっています。
吉池ズワイガニの食感と味
剥いているときは「少し水っぽいかな」と感じたのですが、実際に口にしてみると、身は柔らかいのに噛みごたえはしっかりあるという、とてもバランスの取れた食感です。
そして、口に入れるとズワイガニ特有のあの「甘味」が広がります。カニの風味も強いですね。特に爪の部分は味がとってもよいです。塩気は少なく、カニ自体の味が濃いかんじ。上品な味です。
剥いたあとの分量比較
必死で剥きました(笑)。左がアメ横ズワイガニ、右が吉池ズワイガニです。直径16cmの大きなお椀に入れてみました。
アメ横ズワイガニの方が3割くらい多く身が取れました。もともとアメ横ズワイガニは1kg、吉池ズワイガニは700gということだったので、相応の身の量と言えるでしょう。
結論
アメ横カニ | 吉池カニ | |
値段 | 2,000円 | 3,024円(税抜2,800円) |
分量 | 約1kg | 約700g |
身の量 | ◎ | ○ |
味 | ○ | ◎ |
このように、どちらも全然悪くはないです。
しっかりとしたカニの風味やズワイガニ特有の甘さを求めるなら、多少高くて量は少なくても吉池のズワイガニを買った方がいいでしょう。
逆に、味はそれなりに美味しければOK、それ以上に量をがっつり食べたいし食べごたえもほしいという場合は、アメ横のズワイガニで十分だと思います。
食べる状況や好みに合わせて、どちらで買うか決めるのがいいのではないでしょうか。
もし「量も味も!超美味しいカニを大量に買いたい」という欲張りさんの場合は、蟹をお得にお取り寄せ 【かに本舗】などの通販を利用するのがベストかも。
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まとめ:アメ横では独特の「ノリ」を楽しんで!ただしマグロは吉池で買うべし
アメ横での買い物は、それ自体がエンターテインメントという感じです。
上でも書いたように、魚屋さんに限らず、店先で少し立ち止まって商品を眺めているだけで強烈な売り込み攻撃を受けます。威勢とテンポのいい口上に乗せられて、ついつい要らないものまで買ってしまうなんてことも。
逆に、値切り交渉ができるのもアメ横の醍醐味かもしれません。「2つ買うからもっと安くして!」なんてことが通用してしまうのもアメ横ならでは。まあ、それも百戦錬磨のアメ横おじさんたちにとっては想定内だったりするのかもしれませんけど(笑)。
そんなことも含めてアメ横の面白さではあるのですが、不要な「安物買いの銭失い」をしないためにも、「雰囲気に流されない買い物」を心がけましょう!
今回の検証で分かるように、カニはアメ横でも吉池でも「失敗」ということはありません。好みで選べばいいと思います。でも、マグロだけはどんなに「大大大サービスしちゃうよ!!」なんて言われようとも、アメ横のおじさんを振り切って吉池で買うことをおすすめします(笑)。
アメヤ横丁~吉池の地図:
吉池
公式サイト:http://www.yoshiike-group.co.jp/
住所:東京都台東区上野3丁目27−12
JR御徒町駅北口を出てすぐ
コメント
以前からアメ横でマグロを買って見たくて買って見たくてしかなく、今日、初実食してみました。
赤身、大トロ合わせて2000円でした。10秒ほど見ていただけで、合わせて8000円が2000円になりました。
アメ横で時間を使うのも嫌なのでまだまだ下がりそうでしたが、購入。
帰ってテキトーに解凍してまず刺身で食べてみました。
まず大トロから。が、もう見た目からして不味そうです。ってかどこからどう見ても大トロじゃありません。
骨が付いていたのにはびっくりしました。
食べて見ると、食べれはしますが、お世辞にも美味しくはありません。
二切れで残りはゴミ箱行きが決定しました。
次に赤身。これが、びっくり!意外に食えるんです!美味しくはないですが、その辺のスーパーで売ってるものとおんなじ感じです。普通に刺身で食べれたので次は焼いてみようかなって。当たりを引いただけかもしれませんが。
冷静に考えると、美味しくないマグロを買ったらゴミが付いてきただけですね。
アメ横のマグロでも赤身なら買ってもいいかなっと言う話でした。
コメント&アメ横のマグロでも赤身ならいけるという貴重な情報、ありがとうございます。
今度試してみますね!