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マイナンバーカード(個人番号カード)は便利?危険?メリットとリスクを徹底検証

マイナンバー

制度が始まってから3年以上たった今でも、いまいち浸透しているとは言えないマイナンバー。

 

「便利になるから助かる」という声がある一方で「個人情報が漏れる危険があるから怖い」という声も多く聞こえるなど賛否両論なわけですが、そもそも公式な説明(HPや役所での説明)だけでは分からない点が多すぎるのが問題な気がします。

 

総務省のマイナンバー総合フリーダイヤルに電話して、2時間かけて疑問点について解説してもらったので、ここでマイナンバーのメリットやデメリットなどについて詳しく説明していきます。

 

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マイナンバー制度とはどんな制度?

そもそもマイナンバー制度とはどんな制度なのでしょうか。

 

総務省のホームページ記載の説明を簡単にまとめて見ると

・国民一人ひとりにマイナンバーとして12桁の番号を付与する

・複数の機関に分散されている情報をマイナンバーで紐づけることで手続きを簡単にする

 

マイナンバー制度が適用されている分野は社会保障、税、災害対策の3分野となっています。

 

要するに、行政がこれまでそれぞれ別個で管理していた個人情報を、マイナンバーを使って関連づけることができるようになったわけです。

 

ただし、こうした各行政機関に分散している情報が一元的に管理されるわけではありません。

 

これは意外と大事なことですが、つまり、どこかひとつの機関がすべての情報を集約して持つようになるということはないようです。

 

万が一そのような一元管理の体制になってしまうと、一か所の情報システムを攻撃するだけですべての情報が漏えいしてしまう危険性があるからです。

 

情報は今までどおり、それぞれの行政機関が個別で管理し、それを「つなぐ」役割をするのがこのマイナンバーというわけです。

 

実際にマイナンバーを使用する機関はどこ?

マイナンバーを使用することが認められている機関は法律によって定められています。
・地方公共団体(都道府県・市区町村)
・税務署
・健康保険組合
・ハローワーク
・労働基準監督署
・日本年金機構

 

私たちが普通に暮らしていて関わるような主な機関は上記のようになります。細かく言うと「厚生労働大臣(実際は厚生労働省)」や「財務大臣(実際は財務省)」、その他の独立行政法人なども使用が認められていますが、それぞれ管轄する「社会保障」「税」「災害対策」に関連する制度の範囲内での使用になります。

 

簡単にまとめると、

・それぞれの行政機関は、これまで持っている(そしてこれから取得する)個人の情報にマイナンバーをつける

・そのマイナンバーによって他の行政機関が持っている情報と結びつけることが可能になる

・ただし、使用できるのは、社会保障、税、災害対策の3つの分野に限る

ということです。

 

マイナンバーを提出するように言われたら?

勤務先の会社からマイナンバーを提出するようにと言われた人も多いでしょう。そもそも、あなたのマイナンバーを入手することができる企業・機関というのも、法律で定められているのです。なので、やたらめったらに教えないようにしましょう。

 

教えてもいいのは、次のような企業・機関です。

 

・勤務先
・契約先(個人事業主などが支払いを受ける契約先)
・不動産業者等(不動産収入がある人が支払いを受ける契約先)
・金融機関等(証券会社や投資信託などをしている銀行)
・行政機関

 

なので勤務先の会社には教えても問題ありませんね。

 

ちなみに、金融機関のうち銀行に関しては、現在マイナンバーを必要とする取引は次のとおりです。
・投資信託
・マル優、マル特
・財形貯蓄
・外国送金(支払いと受け取り両方)
・信託取引

 

普通預金や定期預金の口座を持っているだけでは、マイナンバーの提供を求められることはありません。(ただし、平成30年以降に預金口座へマイナンバーを紐つける予定となっています。そうしたら、預金口座を持っているだけでもマイナンバーを提供する必要が出てきます)

 

マイナンバーを提供する際の注意点

電話でマイナンバーを教えるように言われることはありません。契約先や不動産業者、金融機関のように実際に取引のある企業であっても、必ず対面か書面でやりとりをするようにしましょう。

 

マイナンバーカード(個人番号カード)を使うメリット

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では改めて、わざわざマイナンバーカードを発行して使用することで、私たちの生活にどのような利便性が生まれるのでしょうか。

 

マイナンバーカードに記載されている情報

マイナンバーカードには、表面に氏名・住所・生年月日・性別・顔写真が、裏面には個人番号が記載されています。
また、カードにはICチップが付いていて、電子証明書が標準搭載されています。

 

マイナンバーカードを使ってできること

まだ制度自体が始まったばかりなので、これからこのカードを使ってできるサービスは増えていくようですが、2019年1月時点でマイナンバーカードを使ってできることは次のとおりです。

マイナンバーを提出する場面において、番号通達と身分証明の両方をカード1枚で済ませることができる

今後は結婚、出産、育児、転職、退職、病気、年金、災害など様々な場面でマイナンバーの番号を使うことになります。

 

マイナンバーカードがない場合、12桁の番号以外に本人確認のための身分証明書を別途提出しなくてはなりません

 

このように、どうせ「個人番号」と「身分証明書」が必ずセットで求められるのであれば、わざわざバラバラにそれを提示するのではなく「マイナンバーカード」1枚で済ませることができる方が便利です。

 

コンビニで住民票や印鑑証明を取ることができる

マイナンバーカードと暗証番号があれば、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、サークルKサンクスといったコンビニで住民票や印鑑証明を取ることが可能になります。コンビニに設置されているマルチコピー機を使います。

 

取得できる時間は6:30~23:00までなので、忙しくて役所が開いている時間に行くことができない人や、窓口まで遠くてなかなか行けなかったという人にとっては、近所のコンビニで簡単にこうした書類が取得できるので便利です。

 

「住民票や印鑑証明が必要なときって1年に1回もないし…?そんなレアケースなら別にメリットでもない気がする」と思うかもしれません。

 

ですが、意外と逆なのです。レアケースだからこそ、わざわざ役所まで出向くのが異様に面倒くさかったりするのです。

 

通勤途中でも土日でもサクッと何かのついでに取得できてしまうのであれば、その方が楽でいいですよね。

 

▼コンビニで住民票や印鑑証明を発行する詳しい方法はこちら

>>住民票や印鑑証明は、マイナンバーカードを使ってコンビニで発行するのが楽でお得!

 

e-TAXで自宅のPCで確定申告ができる

個人で確定申告をしている人であれば、この時期の税務署の混雑っぷりを考えると、自分の好きな時間に好きなタイミングで自宅にいながらにしてインターネットで確定申告ができてしまう「e-TAX」が一番楽ちんであることはご存知でしょう。

 

これまでも「住基カード」を使えばe-TAXでの確定申告は可能でした。

 

ですが、住基カードの普及率ってそんなに高くないですよね。持っている人は少なかったのではないでしょうか。

 

住基カードを持っていない人は結局税務署へ出向いて確定申告をしなければならなかったので、この機会にマイナンバーカードを作ってe-TAXに乗り換えるという人も多いはずです。

 

ただし、パソコンとネットだけではなく、別途カードリーダーが必要なので持っていない場合には購入しましょう。

 

身分証明書として使える

顔写真付きの身分証明書として使用することができるので、運転免許証を持たない人にとっては(私)、このカード1枚で身分が証明できるのはありがたい話です。

 

これまで、保険証+公共料金の支払い証明書をダブルで提示という面倒くさい手続きを踏まなければTSUTAYAの会員にさえなれなかったわけですが、これからは晴れてマイナンバーカード1枚で簡単に手続きが済むのです。まあ、これも住基カードでもいいと言えばいいのですが。どのみち今後はもう住基カードは新規で発行されませんからね。

 

ただ、こうしたレンタルショップやフィットネスクラブで身分証として使う場合には、裏面の番号部分をコピーされないように注意をする必要があります。法律で表面のコピーだけ許可されているとのことですので、裏面もコピーを取られたらそれは法律違反です。

 

マイナポータルの利用

マイナンバーカードを使って、「マイナポータル」という政府が運営するオンラインサービスを利用できます。

 

自宅のパソコンから「マイナポータル」にアクセスすることによって、自分の個人情報や行政サービスに関するさまざまな情報を見ることができるようになるシステムです。

引用元:内閣府「マイナポータルとは?」

一応私も登録しているのですが、正直まだこれと言って「すごく便利!」という印象はありません笑 確定申告のときに使うくらいですかね。。

 

保険証として使えるようになる(2021年3月予定)

2021年3月から、病院など医療機関で健康保険証としてマイナンバーカードを使えるようになることが決まりました。

もちろん、従来通り健康保険証でも受診できるので、便利さが大きく向上するわけではないと思われます。選択肢が増える(保険証を忘れても、マイナンバーカードを持っていれば問題なく保険適用で受診できる)くらいに考えておいた方がよさそうですね。

 

マイナンバーカードのデメリット・危険性

では、逆に2019年の現時点で、マイナンバーカードを持つデメリットや危険性はあるのでしょうか。

 

デメリットは特にない

マイナンバー制度というのが正式に導入されてしまった以上、これから先この12桁の番号とは一生付き合っていかなければなりません

 

そう考えると、番号は付与されている状態でマイナンバーカードを”作らない”ことで得られるメリットというのが逆に見当たりません。

 

なので、作ることでのデメリットというのも特に見当たりません。番号が付与されているのであれば、せっかくだから作っておいた方が便利でしょ、という感じです。

 

個人情報漏えいの危険性はゼロではない

上で書いたように、現在マイナンバーカードには、氏名・住所・生年月日・性別などの個人情報が記載されています。それを紛失してしまったら、個人情報が漏えいしてしまいます。当然カードを持っている人は持っていない人よりもカードを紛失する可能性が高くなるので、個人情報漏えいの危険性は高くなります。当たり前ですけれど。

 

ですが、それは運転免許証を紛失する危険性と同レベルの可能性なので、特にこのマイナンバーカードだから情報漏えいの危険度が高いかというとそういうわけではありません。顔写真も付いているので、カードを使って他人があなたに成りすますということもまずムリでしょう。そういう意味では、クレジットカードを紛失する方が損害を被る危険性は大きいはず。

 

ちなみに、マイナンバーカードに搭載されているICチップには、税や年金などのプライバシー性の高い個人情報は記録されていません。なので、そうした情報がマイナンバーカードから漏れてしまうことはありません。

 

ただし、暗証番号とカードを一緒に盗まれてしまうなどということになると、住民票や印鑑証明を取られてしまうので、そこだけは細心の注意が必要です。住民票には顔写真は記載されていません。にも関わらず、住民票は本人確認書類として使われることも可能な重要書類です。だれかに成りすましされるとしたら、こちらの可能性の方が高いです。

 

たとえ紛失してもマイナンバーカード単体では住民票を取得することはできません。なので必ず暗証番号は別に保管するようにしましょう。

 

結論:マイナンバーカードは今持つべきか

ここまでマイナンバーカードを使って今できることとそのメリット、そしてデメリットについて考えてみました。

 

結論から言うと、2019年段階ではマイナンバーカードを持つことで劇的に生活が便利になったわけではありませんし、逆に特段デメリットもありません

 

つまり、どちらでもよい

 

ただ、今は制度自体が始まったばかりで、これからどんどんサービスを拡大していく予定なので、その際にはマイナンバーカードを持つことで享受できるメリットも大きくなるでしょう。上に書いたようなマイナポータルが正式に稼働すると、それだけでも利便性は高くなると感じています。

 

カードの有効期限は10年なので、10年もあればマイナンバーカードでやれることはずいぶん増えるのではないかと思われます。

 

ただし、便利になるということは同時に情報漏えいなどの危険性も大きくなるということを意味します。

 

正直このご時世、住所や名前などの個人情報が複数の業者の手に渡っていないという人はほとんどいないはずです(漏えいしているかどうかは別として)。なので、現段階でマイナンバーカードに記載されている程度の個人情報はともかくとして、今後それより上のレベルの個人情報がカードに紐づけされることによって、利便性は増す反面、銀行口座や病歴などセンシティブで直接被害を被りやすい類の情報が漏えいしてしまう可能性も大きくなります

 

年金情報漏えいのようなことが起こらないとも限りません。そうなるともはや個人で対応できることは限られてしまうのですが、それでも被害を最小限に抑えられるようなセキュリティ対応を独自に構築しておくのも大切でしょう。

 

結論:現段階でマイナンバーカードは住基カードに毛が生えたくらいのもの。利便性も危険性も小さい。ただし、数年後には利便性は飛躍的に上がるだろうし、それに伴い危険性も今よりは大きくなる可能性がある。ただ、「危険だ危険だ」と遠くから眺めているだけでは利便性の恩恵を受けることはできないので、私ならリスクは承知で利便性を取る。

 

とにかく分からないこと・不安なことは電話して聞いてみましょう。平日の昼間は割とすんなりつながります。

マイナンバー総合フリーダイヤル:0120-95-0178(無料)
平日:9:30~20:00/土日祝:9:30~17:30(年末年始を除く)
総務省HP:http://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/

 

▼マイナンバーカードの使用についてはこちらの記事も読んでみてください。

>>マイナンバーカード(個人番号カード)の保管・使用で注意すべきポイント

>>住民票や印鑑証明は、マイナンバーカードを使ってコンビニで発行するのが楽でお得!

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