混戦のアメリカ大統領選挙!予備選挙~本選まで複雑難解な仕組みをシンプルに解説

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4年に一度行われるアメリカの大統領選挙。「選挙」というと何となく質実剛健・若い人は興味ないといった印象が日本ではありますが、世界中が注目するアメリカの大統領選挙ともなると、はたから見ていると一種のお祭り騒ぎのような喧騒にも映ります。

実際にその盛り上がりはすごい。日本では大統領選挙はありませんので、しいて比べるならば衆参同時選挙でしょうか。それでもせいぜい選挙前にNHKで政見放送が行われたり、報道番組で各党の討論が行われたり、街中で選挙演説が行われたりするくらいです。日本でも90年代と比べると多少は選挙戦に関心を持つ人も増えているような気はしますが、アメリカの大統領選挙と比べると地味もいいところです。

ここ日本でもアメリカ大統領選挙の模様は海を越えて逐一報道がされています。最大の同盟国であり、一時期とは世界の勢力図も変わってきたとは言えどもこの地球上に存在する名実ともに1番の超大国であるアメリカのトップを決める選挙なわけですから、当然注目度は高くなるのはわかります。

ですが、ちょっと疑問に思う人もいるのではないでしょうか?長すぎませんか、大統領選挙。ずっとやってますよね。どうして決まるまでにあんなに時間がかかるのでしょう。

次の本選は2016年11月8日です。そして、実際に2月からは予備選挙が始まっています。選挙戦は半年以上続くのです。日本の選挙とはまったく異なりますね。

このアメリカの大統領選挙の仕組みをわかりやすく見ていきましょう。

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アメリカの2大政党は、共和党と民主党

アメリカは2大政党制となっています。共和党民主党です。

2016年現在の大統領であるオバマ大統領は民主党。ちなみに、かの有名なケネディ大統領も民主党、クリントン(男)大統領も民主党です。どちらかというとリベラル寄りで、労働者やマイノリティからの支持が多いです。

逆に共和党はどちらかというと保守寄りの政党で、レーガン大統領や父ブッシュ・子ブッシュ両大統領などが有名ですね。大企業や富裕層・キリスト教という「古き良きアメリカ」を体現している層からの支持が多いです。いわゆる「アメリカが世界のリーダー」というイメージは共和党のイメージに近い気がします。

そして、この共和党vs民主党の形で、4年に一度大統領選挙が行われます。現在のオバマ大統領は2期8年大統領を務めました。合衆国憲法によって、2度以上の再選は認められていないので、オバマ氏は次の選挙に出ることはできません。

予備選挙・党員集会で政党内の候補者を決める

本選の前に、共和党、民主党の各党内で候補者を1人に絞るための選挙が行われます。俗にいう大統領予備選挙・党員集会です。時には、本選よりもこの予備選挙の方がヒートアップすることもあります。つまり内輪の選挙なんですけどね。

この段階で勝つことができないと、最終的な大統領選挙には立候補することすらできません。その方式には2種類あり、州によって予備選挙か党員集会のどちらかの方法で選出が行われます。ただし、どちらの場合もこの段階で選出されるのは「代議員」です。

予備選挙は、有権者が、選挙前に投票する候補を宣言している代議員を選出する間接選挙であり、代議員は各候補の支持者、支援団体の代表者などからなっている。代議員の人数は人口に応じて、各州に割り当てられている

wikipedia「アメリカ合衆国大統領予備選挙」より

一般の有権者は代議員に投票します。代議員とは候補者ではありません。ですが代議員は事前に「私はこの候補者を支持します」と宣言しているので、有権者は自分の支持する候補者を支持する代議員に投票をするわけです。いわゆる間接選挙となっているのです。とってもまどろっこしいですね。

有権者→代議員→候補者

この候補者があの州で勝った負けたと言っているのは、つまり自分を支持している代議員が何人選ばれたかという数の勝ち負けなのです。代議員は最終的に行われる「全国党大会」に出席して、そこで支持の多い候補者が最終的な党の指名候補者として本選に出馬できるわけです。全国の州で順次この予備選挙・党員集会が行われる中で、途中で勝ち目がないと思った候補は選挙戦を戦うのをあきらめてしまいます。予備選挙が進むにつれて、脱落者が増えて候補者は絞られていきます。

テレビでもよく耳にする「スーパーチューズデー」は全米でこの予備選挙・党員集会が最も多く行われる火曜日のことを指しています。この日に多くの州で結果が出るため、共和党・民主党ともにどの候補が最終的な党の指名を獲得できるか左右される日として注目されています。

ちなみに、2016年の大統領選挙でのスーパーチューズデーでは、民主党がクリントン氏、共和党がトランプ氏が優勢な結果になっています。このままの勢いでトップ陣営が突っ走るのかどうか、この後の予備選の動きが注視されます。

全国党大会で、共和党・民主党がそれぞれの指名候補を決定

予備選挙・党員集会がすべての州で終了すると、それぞれの党は全国党大会を開きます。そこで予備選で選ばれた代議員による過半数以上の支持を得た候補者が、党の正式な大統領候補として指名されるのです。ちなみに、おもしろいのはここで指名された大統領候補は自ら副大統領候補を指名します。副大統領は、大統領候補とセットになっているのです。

これでやっと共和党と民主党それぞれの指名候補が決定します。

いよいよ決戦の一般投票

そしていよいよ決戦の日、本選の一般投票が行われます。

と言っても、実はこの本選も間接選挙になっていて、有権者は大統領候補者を直接選んで投票するわけではありません。

各州ごとに選挙は行われるのですが、ここで一般の有権者が投票をするのは「大統領選挙人」という人です。予備選のときの代議員のように、選挙人も前もって「この候補を支持しますよ」と表明しています。なので、有権者は自分が投票したい立候補者(共和党か民主党か)を支持している選挙人に投票する形になっているのです。

有権者→選挙人→候補者

そして、州ごとにこの選挙人の割り当て人数というのが決まっているのですが、勝利をした方の候補者はその州に割り当てられている選挙人すべてを総取りするという、面白い仕組みになってります。

たとえば、全州で最も選挙人の割り当て人数が多いのはカリフォルニア州で、55人います。仮に接戦でA候補がB候補をたった1票差で破ったとします。そんな僅差の戦いであっても、A候補はカリフォルニア州の選挙人55人分をすべて手に入れることができるのです。逆にB候補はほぼ互角に戦ったにもかかわらず、カリフォルニア州でのカウントは”ゼロ”です。オール・オア・ナッシングの戦いなのです。

なので、番狂わせも起きやすいと言えます。

実際に、2000年に行われた大統領選挙は物議をかもす結果となりました。民主党のアル・ゴア候補と共和党のジョージ・ブッシュ候補が接戦を繰り広げ、有権者による投票数の総合計はアル・ゴア候補の方が多かったにもかかわらず、選挙人の獲得数はジョージ・ブッシュ候補の方が多かったので、最終的に選挙で勝者となったのはブッシュ大統領でした。

なかなかややこしい、そしてまどろっこしい、そして民意が微妙に反映されていない面もある気がしなくもない選挙制度なのですが、建国以来の伝統でこうした制度で行われているようなのでアメリカ人にとってはその面倒くささや誤差も含めて”That’s 大統領選挙”なのでしょう。

次の大統領は誰に!?

世界中が注目するアメリカ大統領選挙。世界の勢力地図が大きく”変化”の方向に動き出している今、アメリカはどういった選択をするのか非常に楽しみでもあり、ちょっとハラハラしながら見ていたりもします。

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