PR

【2018年度以降】年金滞納の強制徴収が「年間所得300万円未納期間7か月」まで拡大!この「年間所得」は年収ではありません

税金

国民年金の徴収率が60%前後と低迷しているため、年金の強制徴収枠は毎年のように拡大しています。2018年度も、対象となる滞納者の枠がさらに拡大することが決まりました。

2014年度→年間所得400万円以上で13か月以上の滞納者

2016年度→年間所得350万円以上で7か月以上の滞納者を追加

2017年度→年間所得300万円以上で13か月以上の滞納者を追加

★2018年度→年間所得300万円以上7か月以上の滞納者を追加 ←NEW!

こうしてみると、年々その基準となる所得額が下がっていて、さらに滞納期間が短い人でも対象となっていることが分かります。

「年収300万円で7か月以上の滞納だと、、、もしかして自分も対象になるかも!」と焦っている人も多いのではないでしょうか。

「年収300万円なんて、、そんなに余裕ない人からも強制徴収するつもり!?」と思った人もいるかもしれませんが、これ「年収」ではなくて「年間所得」なんです。

 

スポンサーリンク

年間所得って何?

98b4d6d3e32844cd35d1394edd7463a6_s

年間所得というのは、年収(額面の収入額)から経費やさまざまな控除を引いたあとの金額です。確定申告をするときに、課税の対象になるいわゆる「課税所得」のことですね。

自営業者の場合

収入(売上)ー原価ー経費ー(基礎控除、青色申告特別控除、社会保険控除、生命保険控除など、すべての該当する控除)=「課税所得」

アルバイトなど給与所得者の場合

収入(額面の年収)-概算経費ー(基礎控除、社会保険控除、生命保険控除など、すべての該当する控除)=「課税所得」

たとえばアルバイトなど給与所得者の場合では、課税所得が300万円を超えるには、実際には額面で440万円ほどの収入となります。

税引き前の年収が440万円くらいの人が対象ということですね。

300万円ときくと「たった300万円でも強制徴収されるなんて!」と思いますが、440万円ときくと「まあ、それだけ年収あれば払えるよね」と思ったりもします。

自営業の場合は原価や経費など人によって大きく異なるので、「課税所得が300万になるには、だいたい収入(売上)がこのくらい」というのは一概には言えませんので、前年度確定申告をしたときの自分の「課税所得」がいくらだったかを確認してみるのがいいでしょう。

 

  年間所得は年収ではない

  年間所得は「課税所得」のこと

 

 

「年間所得」は世帯所得なので、国民年金を滞納すると家族の財産が差し押さえられる可能性も!

cd7bdfbd09aced3ff9b5608f1fdb379c_s

「なんだ、年間所得は年収じゃないのか~。年収440万円以上なんてないから、強制徴収される心配はないな!」と思った人もいるかもしれませんが、ひとつだけ注意点があります。

国民年金には「連帯納付義務者」というのがあります。滞納すると、滞納している本人だけでなく、その世帯主&配偶者にも連帯責任で納付の義務が生じるのです。

そして、先ほどの強制執行の対象となる「年間所得300万円以上」というのは、個人の所得ではなく「世帯所得」だということです。

つまり、仮に自分の年間所得(もろもろ控除後の「課税所得」)が100万円だとしても、世帯を同じくする家族(親や夫or妻など)がいて、その世帯全体の年間所得合計が300万円を超える場合は、本人が支払えない場合には「世帯主」である親や「配偶者」である夫or妻の口座が差し押さえられたりするんです。

年金を滞納すると送られてくる「特別催告状」にも、

「滞納処分が開始されると、国民年金保険料に延滞金が課せられるほか、あなただけでなく連帯納付義務者であるあなたの配偶者や世帯主の給料や財産を差し押さえることになりますのでご注意ください」

と書いてあります。

連帯納付義務者に該当するのは世帯主と配偶者のみなので、自分が住民票上の世帯主で配偶者もいないという場合には、たとえば遠く離れて暮らす実家の親の口座が差し押さえられるということはありません。

逆に、たとえ一人暮らしをしていても、住民票上世帯を分離していない場合には、自分の滞納のせいで家族のところに差し押さえがいくこともあり得ます。

 

 

強制徴収の対象になると何が起こる!?

2018年度から適用されている

年間所得300万円以上で滞納期間が7か月以上

の人に対しての強制徴収。

もし、この対象になっている場合、どんなことが起こるのでしょうか。

まず、電話や文書などで納付を促す連絡がくるはずです。そして、それでも支払いに応じない場合には、「最終催告状」や「督促状」などが送付されて、それでも支払われない場合には銀行口座や財産の差し押さえをされる可能性があります。

その名の通り、強制的に未納分を徴収されることになります。

差し押さえの手続きが進んでしまうと、その執行を止めることはほぼ無理ですので、その前に滞納分を支払うか、一括での支払いが厳しければ年金事務所に相談しにいくようにしましょう。

相談せずに催告や督促を無視→差し押さえなど

今お金がなくて支払えないと相談→分納などで対応してくれる可能性大

強制徴収の対象となってしまったら逃げ切れないと考えた方がいいでしょう。それならば、差し押さえされるよりは分納などの相談をする方が、結果的に支払いも楽になる可能性が高いです。

【参考記事】
>>国民年金を滞納すると送られてくる「特別催告状」 これが届いたら無視せず必ず相談に行くべき!

 

年金保険料滞納の強制徴収で注意する点まとめ

年間所得300万円は年収ではない。税込年収からもろもろの控除を引いた「課税所得」のこと。

世帯の年間所得として計算されるので、自分以外に世帯主や配偶者がいる場合はそちらの財産を差し押さえられることもある。

もし所得が少なくて払えない場合には、免除制度というのがあるので、それを利用しましょう。申請は郵送でもできます(日本年金機構HP「保険料を納めることが、経済的に難しいとき」)。

審査を受ければ「全額」「3/4」「半額」「1/4」の免除が通る可能性がありますので、まずはこの免除制度をうまく使った方がいいですね。

2014年以降、国は

年間所得400万円→350万円→300万円

未納期間13か月以上→7か月以上

と、どんどんその強制徴収の対象となる滞納者の枠を広げてきています。毎年のように拡大してきているんですから、けっこう本気だと思います。

年金に関しては、消えた年金問題とか、個人情報漏洩問題とか、運用がうまくいってないのでは疑惑とか、本当にもらえるのか疑惑とか、いろいろな思いが錯綜するというのは本音ではありますが、それでも加入が義務付けられている以上は、払わずに強制徴収されても文句が言えません。

強制徴収の実態というのは、正直ベールに包まれているので、どこまで本当に差し押さえ等がされているのかは分かりにくいところがあります。

ただ、こうして明確な基準が発表されているわけですから、その基準を正確に把握しておくことは大事でしょう。

現実に自分が対象者(年間所得300万円・滞納7か月以上)の枠に入っているのかどうか、そして、もし個人の「年間所得」なら300万には満たないという場合でも、世帯所得が300万円以上になっていないかどうかなどを確認した方がいいですね。

 

▼年金の滞納がある人はこちらの記事も読んでおくことをおすすめします。

>>国民年金の滞納者に届く「特別催告状」はどのくらいヤバい?差し押さえを回避するために絶対すべきこと

>>税金滞納で銀行口座を差し押さえられたときの対処法

コメント